飲酒習慣は多彩な健康障害のリスク因子であり、適切な予防が求められているが、飲酒による健康影響の早期発見に役立つ血中物質はほとんど知られていない。そこで、本研究では、 山形県鶴岡市に居住する1008名の血漿を用いて脂質メタボローム・プロファイリングを行なって、血中の232種類の脂質を網羅的に測定した。 飲酒習慣により血中の脂質代謝の違いが明らかになり、特に予防に役立つバイオマーカーが特定できた。さらに、高飲酒者では遺伝子型によっても血中脂質は異なることが明らかになり、飲酒性疾患のオーダーメイド予防に脂質メタボロミクスが有用であることが示された。
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