研究課題
総合研究(A)
A)別紙研究分担者の各自の研究分担課題にもとづく研究をすすめ、その総括の作業をすすめており、近い将来、各分野ごとの日本農政と地域農業構造の変貌についての著書(『戦後日本農政の展開と農業構造』〔〓題〕)を刊行すべく準備中である。B)昭和59〜61年度において、日本の代表的稲作地域、畜産、果樹、林業について実態調査をおこない、構造的不況と貿易黒字・摩擦の累積のもとで農産物市場開放の内外圧が強まるなかで展開されるさまざまな農政が、日本農業の構造にどのような変化をもたらしつつあるか。それらの農政は日本の農村と農民によってどのように受容され、あるいは反揆されているか、どういう農政上の要求を農民はもっているか、などをあきらかにしようとした。こんにちの日本農業をめぐるきびしい情勢とそのもとで展開される農政は1面で、1部の上層・専業的市民経営をいわばゴールなる規模拡大にかりたてつつあり、そのなかで必死に生きのころうとする農民の対応を生みつつある。しかし、他面では、そのもとで借金累積、生態系の破壊などによってこれら上層経営が危機的状況におちいり、発展の展望を失うといったケースもきわめて多い。彼らの間には、こんにちの農政に対する不安と反揆もつよく、農業保護政策採用についてのつよい希望がみられる。注目すべきは、農政によって促進される規模拡大のコースをひた走らず、あまり多額の借金も背負うことなく、兼業農家とも一緒になって各種生産組織をつくりながら、複合的経営の構築をめざしている農民経営のあいだに、かえってこんにちのきびしい風雪に耐えて生きているケースがみられることである
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