研究概要 |
60年度までの一連の実験により高感度ドライ現像可能なX線レジスト設計の為の重要な指針として以下のことが明らかとなった。 1) G値(100eV吸収エネルギー量に対するレジスト中での反応数)を大きくする。 2) レジストに小さな修正を施すことによりプラズマエッチングに対して、照射部/末照射部のエッチング速度比を大きくする為のプロセスが必要不可欠である。 1)については、レジスト膜中にX線を効率よく吸収する重金属を増感剤として混入させることによりX線照射による自己現像感度の増大に成功した。1μm以下の解像度パターン形成も確認した。各種市販レジストについてG値を測定し大きなG値を得る為には、連鎖反応性分子団のレジスト中への形成も重要な要因であることをつきとめた。 2)については、従来提案してきたプロセスを修正し以下に示すプロセスを考案し実行中である。金属含有モノマー(TMT,TMS)との混合レジストを作成し、X線照射により金属モノマーをポリマー構造中に固定化させる。真空加熱により末照射部における金属を除去することにより、選択的に照射部に金属含有ポリマー構造を形成する。酸素プラズマエッチングに対し、金属含有構造は高い耐性を示し、プラズマ現像後ネガ型パターンを得る。プロセス実現の為の基礎的かつ重要な実験結果として、【◯!1】炭素原子に対する金属原子の割合が4%を境にしてエッチング速度が大きく変化すること 【◯!2】エッチング速度は金属原子数を変化させることにより制御可能であること 【◯!3】これらの金属原子数比を制御した薄膜形成は、プラズマ重合装置にて容易に実現可能であったことが解明された。1)自己現像特性 2)プラズマエッチング特性における膜厚の測定は二重双光路レーザ干渉膜厚計を用いることにより、極めて高い精度にて測定された。
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