研究概要 |
食用赤色2号(Am)過剰摂取による成長抑制(Am毒性)と食物繊維(DF)の同時摂取による毒性阻止効果の機構を解明する目的で、下表のように各種の消化管部分切除ラットを作成し、正常動物との成長応答の比較から、Am毒性発現部位とDF効果発現部位を特定した。また、DFの主要な作用機構は小腸腔内移動速度の緩和にあることを示した。 1.Am毒性は回腸切除時,すなわち空腸部で激しく現われ、DF添加効果は空腸部、回腸部とも同程度であった。これは栄養素吸収効率と一致し、少くとも小腸50%残存すれば十分に発現する。残存空腸10%ではDF効果は消失することから、DFと相互作用すべき一定の長さが必要であることを示すデータである。 2.更に、DFのAm毒性阻止効果は、下図にみられるように、小腸腔内移動速度の緩和によるものであることを示した。これは内因性オピオイドの放出と関連すると考えられる結果もえている。
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