研究課題/領域番号 |
59570439
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
田辺 正忠 香川医大, 医学部, 教授 (90033068)
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研究分担者 |
佐藤 功 香川医科大学, 医学部, 助手 (30154040)
児島 完治 香川医科大学, 医学部, 助手 (80161909)
高島 均 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10116402)
大川 元臣 香川医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (70028629)
玉井 豊理 香川医科大学, 医学部, 助教授 (30033426)
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キーワード | 肝臓 / 肝癌 / 肝シンチグラフィ / 肝体積 / 肝血流指数 / SPECT / 肝切除 |
研究概要 |
1.SPECTを用いた肝血流指標K値の測定には高速度SPECT装置の導入で可能となった。1回転37秒(そのうち7秒は加速時間で実測時間は30秒)で50回転のデータ収録を行ない各回転毎の再構成画像の厚さ1.06mmで作製し、各スライスごとに50枚時系列に配列し、それぞれの時系列画像よりK値と体積を求め、さらに任意の部位の切除を行うプログラムを作製した。この方法によって立体的に切除範囲を求めることができ、残存予定肝体積および同部でのK値の測定が可能となった。従ってプラナーシンチグラムでの欠点である切除範囲の決定の不正確さが改良され、内側区域や前区切除の場合も容易に切除予定部分を切除して計算できる。また前年度不正確であったK値の算出方法も改良した。正常者6名での平均K値は0.365±0.038と前年報告したプラナーシンチグラフィによる正常者に名の平均K値0.351±0.036とほぼ一致する値を得た。さらに肝硬変症7例のSPECTによる平均K値は0.241±0.057,プラナーシンチグラフィによる肝硬変症17例の平均値が0.243±0.052と両者の場合も同様の値を示した。従ってSPECTによる肝血流指標K値の精度は十分に信頼できるものと判断した。 2.肝切除術前に【^(198)Au】コロイドを用いた患者の予後の判明した21症例では肝不全による死亡6例の残存予定肝機能体積率は0.335±0.071,肝不全以外の原因による死亡者5例では0.692±0.174,生存者では0.570±0.165であり肝不全による死亡者と他2群との間には有意の差を認め肝切除限界値は0.4〜0.45と推定された。SPECTを用いて肝切除前に検査しえた症例は4例である。いずれも生存中であるが同法による残存予定機能体積率は0.391〜0.846である。
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