• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

Bリンパ球増殖・分化機構の解明とその異常制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60065006
研究機関大阪大学

研究代表者

岸本 忠三  大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (10093402)

研究分担者 審良 静男  大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (50192919)
菊谷 仁  大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (80161412)
平野 俊夫  大阪大学, 細胞工学センター, 助教授 (40136718)
キーワードIL-6 / IL-6レセプター / IL-6レセプターcDNA / FcεRII / CD23 / FcεRIIaとFcεRIIb / IL-4
研究概要

Bリンパ球に抗体産生を誘導する分子として見い出されたインターロイキン6(IL-6)はBリンパ球のみでなく種々の細胞に増殖の促進、増殖の阻止、分泌誘導といった多彩な機能を発揮することが明らかとなった。この様にIL-6が多様なシグナルを生み出すメカニズムを明らかにするため我々にはIL-6のレセプター構造を解明することを試み、IL-6RをコードするcDNAの単離とその全構造の決定を行なった。IL-6Rは468コのアミノ酸より構成され、1回の膜貫通部をもち、細胞内は82コのアミノ酸より成立していた。細胞内にはチロシンキナーゼの如きシグナル伝達にかかわると考えられる如何なるユニークな構造も持たず、シグナル伝達に他の会合分子の存在が推察された。事実ミエローマ細胞株をIL-6で刺激後、抗IL-6R抗体を用いてヂギトニンバッファー中で沈降させることにより分子量130Kの分子が共沈してくることが明らかとなった。3の後の研究によりIL-6RにIL-6が結合することによりIL-6R分子は130kd分子と細胞外で相互作用をおこし、シグナルは130kd分子を介して細胞内へ伝えられることが明らかとなった。
アレルギーを制御するIgE結合因子としての機能とBリンパ球分化抗原CD23としての機能を合わせもつFceRIIには細胞内部分を異にする2種のFcεRIIすなわちFcεRIIaとFcεRIIbが存在することが明らかとなった。これらの2種のFcmRIIはnRNAのdifferential splicingにより生成され、異った発現調節を受けていること、すなわちFcεRIIaはBリンパ球特異的に発現され、IL-4の影響を受けず、FcεRIIbは好酸球やマクロファージにも発現され、IL-4によりその発現が誘導されること、アトピー患者ではFcεRIIbが増加していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Muraguchi,A.;T.Hirano;T.Kishimoto,et al.: Journal of Experimental Mediticne. 167. 332-334 (1988)

  • [文献書誌] Kishimoto T.;T.Hirano: Ann.Review of Immunology. 6. 485-512 (1988)

  • [文献書誌] Kawano,M.;T.Hirano;T.Kishimoto,et al.: Nature. 332. 83-85 (1988)

  • [文献書誌] Yamasaki,K.;T.Hirano;T.Kishimoto,et al.: Science. 241. 825-828 (1988)

  • [文献書誌] Yokoto,A.;H.Kikutani;T.Kishimoto,et al.: Cell. 55. 611-618 (1988)

  • [文献書誌] Tanabe,O.;S.Akira;T.Hirano;T.Kishimoto,et al.: J.Immunol.141. 3875-3881 (1988)

  • [文献書誌] Kishimoto,T.;T.Hirano,et al.: "A new cytokine,BSF2/IL-6 and its receptor.In B Cell Development." Alan R.Liss,Inc., 157-171 (1988)

  • [文献書誌] Kishimoto,T.;T.Hirano: "B lymphocyte activation porli,feration and immunoglobulin secretion.In Fundamental Immunology." Raven Press,

URL: 

公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi