研究課題/領域番号 |
60301027
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
浜野 一郎 明学院大, 社会学部, 教授 (70062148)
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研究分担者 |
都留 民子 彰栄保育専門学校, 専任講師 (00236952)
野口 定久 神奈川県匡済会, 調査研究室, 研究員 (30208318)
河合 克義 明治学院大学, 社会学部, 助教授 (10103631)
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キーワード | 学童保育 / 障害者地域作業所 / 機能のバリエーション / 対地域社会機能 / 町づくり / 行政役割 |
研究概要 |
研究の経過として、本年度では、学童保育調査の補充ならびに集計、障害者地域作業所の調査を行った。障害者地域作業所(以下作業所と略す)は横浜市につき、学童保育については川崎市及び横浜市を対象に行った。 研究結果を、とりわけ地域との関係について述べておこう。まず、学童保育については、個々の保育所が果たしている機能にバリエーションがみられ、a)直接の保育、b)対学校機能、c)対家庭機能、d)対地域社会機能のいずれかに重点をおくタイプに分類できた。これらすべての機能を同時に追求している学童保育所もみられ、われわれの視点からすれば、「理念型」に近い型である。これを追成できる条件として、学童保育を単に「学童の保育」に限定せず、親との関係あるいは地域との関係を同時に追求することを"業務"の本質的部分に位置づけるか否かにかかっているように思われる。 次に作業所についてであるが、第一に、地域との関係では、否定的な関係から肯定的な関係まで、すなわち、作業所設還反対の住民運動に直面したところから、地域との関係が良好なところまで、その落差が、学童保育の場合にくらべて相当にはっきりしているのが特徴である。ただ、一つ明確にいえることは、設立にあたっての、当諸地域住民への説明や説得は、決して効果のないことではない、という一事である。第二に、地域の自治会に加入したり、行事を共催したり、といった、地域住民・地域組織との共同した町づくりへの展望をもつか否かが、作業所の運営に大きく影響することが明確となった。 最後に、行政の役割には、解決すべき課題が多い、たとえば、軽度者も重度者も同時に一つの作業所でひきうけざるをえないような状況は、一作業所の運営の限度を越えている。このような地域と連携した運動を育てる上で、行政の役割が新たに問われている。
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