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1986 年度 実績報告書

平和運動の思想と組織に関する政治社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60301028
研究機関明治学院大学

研究代表者

吉原 功  明学院大, 社会学部, 教授 (60062171)

研究分担者 馬場 修一  東京大学, 教養学部, 助教授 (20012429)
尾形 隆彰  千葉大学, 文学部, 助教授 (80125913)
橋本 敏雄  明治学院大学, 社会学部, 教授 (80062173)
守屋 孝彦  茨城大学, 教養部, 教授 (60007713)
矢澤 修次郎  一橋大学, 社会学部, 教授 (20055320)
キーワード核 / エコロジー / 人間崩壊 / 社会運動 / 世界社会 / 世界内植民地 / 国内植民地 / 新しい社会運動
研究概要

現代、世界は4大危機(核、環境破壊、大量貧困、人間崩壊)に直面している。それらは現代世界の構造に由来しているが故に高度に普遍的であり相互に連関しつつ、世界そのものの「平和」をおびやかしている。従って状況は、すべての社会運動に「平和」運動たることを求めており、しかも問題の重層性、複雑性から従来にない新しい運動が要求されている。このような作業仮説のもとにわれわれは運動の実態を把握しそれを理論的に検討する作業をすすめた。まず昨年度実施した現地調査(広島、長崎、沖縄)の成果を理論的に検討することに充分時間をかけ、年度後半からは補充調査を実施することによって、三地点における運動の総体把握につとめた。この補充調査を含めた総合的な検討は来年度精密におこなう予定であるが、以下では、現在まで得た主な知見を記すことにしたい。沖縄は歴史的に日本国内の植民地的存在とされてきており現在もその性格をぬぐいさっていない。それ故にそこにおける運動は第3世界に通底する特質をいくつももつ。広島、長崎は、原爆をおとされることによって「世界内植民地」となり、沖縄と繋がると同時に普遍人類的意義を獲得した。戦後日本の社会運動は、いわゆる平和運動を含め、広島、長崎のこの普遍人類的意義を内化し外化しえなかったばかりでなく、それを沖縄問題の根源性などをつうじて日本社会に根づかせることもできなかったが、今まさにそのことが求められている。この課題を達成することはすなわち世界の4大危機を視野に入れることでもあるが、同時にそれが、持続的に展開されるためには日常生活のレベル、身体のレベルにうらうちされねばならないであろう。こうした条件すべてを満足させる運動をわれわれは発見できていないし、実際にまだ存在していないであろう。が、エコロジー、女性、生活、連帯などをテーマとする諸運動のなかにその芽をみいだすことはできる。

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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