研究概要 |
1.各国の性教育 アメリカ, イギリス, 西ドイツ, フランス, スウェーデン, ソ連, 韓国, タイおよび中国の性教育の内容・方法や性の問題の実態について分析し, それぞれの特色を明らかにするとともにわが国の性教育への示唆について検討した. その結果, (1)性教育を単なるセックスの教育に終えないで, たとえばスウェーデンのような「男女共生の教育」という視点, あるいはアメリカの「新性教育」の視点でとらえること, (2)性教育はそれぞれの性文化や性に対する価値観を背景として成立するものであり, その背景を無視する性教育は非現実的であること, (3)性教育の研究においては, アメリカで試みられているように, その教育効果に関する研究が必要であること, などを明らかにしている. 2.各国の薬物乱用防止教育 アメリカ, イギリス, 西ドイツ, フランス, スウェーデン, ソ連, 韓国の薬物乱用防止教育について最終的にとりまとめ, 日本の薬物乱用防止教育の実態を分析し, それぞれの国の実態と内容・方法について明らかにし, さらにわが国にとっての示唆を検討した. その結果, (1)薬物線用の実態や問題は国によって異なっており, 薬物の定義と範囲が多様であること, (2)薬物乱用寂止教育において, シンナー等の薬物や麻薬に限定しないで, 飲酒・喫煙の問題もそのカテゴリーに入れた教育を考える必要のあること, (3)これからの青少年の問題行動の中にあって, 薬物の問題が世界各国とも共通した生丈な問題になりつつあることから, わが国でも薬物乱用防止教育への実践的とり組みが強く求められること, などを明らかにした.
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