研究分担者 |
日向 康吉 東北大学, 農学部, 教授 (00005589)
大村 武 九州大学, 農学部, 教授 (40038170)
蓬原 雄三 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023405)
平井 篤志 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60023470)
田中 國介 京都府立大学, 農学部, 助教授 (90027194)
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研究概要 |
細胞融合・遺伝子操作などの新技術を導入して、イネ育種の新しい展開をはかるため、それに必要な分子レベル、細胞・組織レベルならびに個体レベルの解析を行い、各レベルにおける新知見の蓄積をはかることを目的にした。 1.分子レベル:米粒貯蔵タンパク質,グルテリンおよびプロラミン,の前駆体を生合成するPoly【(A)^+】RNAのcDNAのクローニングを完成すると共に、プロティンボディIを純粋にとり出すことに成功して、これが主としてプロラミンであることを示した。葉緑体DNAについて物理地図を完成し、Rubiscoの大サブユニット遺伝子とATPaseのβサブユニット遺伝子の物理地図上の位置と全塩基配列を決定した。又ミトコンドリアDNAについては、DNA断片のクローニングに成功すると共に、自律複製配列の活性を示す断片を見出し、その特性について知見を得た。 2.細胞・組織レベル:品種多数を用いて、種子カルスあるいは葯培養による花粉カルスからの不定芽誘導、不定胚誘導について研究し,再分化と遺伝子型の関係、再分化条件などに関する知見を集積した。それを基礎に、種子カルスから得たプロトプラストを培養し多数の復原植物体を得た。一方、4種類の除草剤耐性を利用して融合細胞選抜のための実験系を確立した。 3.個体レベル:細粒突然変異の後代分析から確認したMutaterについて遺伝子としての性格を検討して多くの知見を得た。又、人為突然変異の誘発法に検討を加えると共に、Sugary,Shrunkenなど新たな胚乳突然変異を得て、その酵素レベルの解析を行った。一方、効率的な選抜方法を見出す基礎として、耐旱性と光合成特性あるいは葉水分バランスとの関係、米粒の良質性とアミロース含量,窒素含有率,各種アミノ酸含量比との関係について知見を集積した。又、低脚鳥尖型半矮性遺伝子の作用と連鎖群中に占める位置について知見を得た。
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