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1987 年度 実績報告書

有用植物とその近縁野生種にみられるオルガネラDNAの変異

研究課題

研究課題/領域番号 60400005
研究機関京都大学

研究代表者

常脇 恒一郎  京都大学, 農学部, 教授 (20026438)

キーワード葉緑体DNA / 制限酵素分析 / 遺伝子rbcL / 全構造決定 / Rubisco / コムギ属 / エギロプス属 / イネ属
研究概要

本研究は,種々の有用植物とそれらの近縁野生種のオルガネラDNAの変異を分析し,その結果からそれぞれの種属内の系統関係と栽培種の起原を解明することを目標とするものである. 以下に, 本年度の成果の概要を材料別に述べる.
1.コムギ・エギロプス属:二粒系及びチモフェービ系コムギの起原を明らかにする1つの手段として,二粒系野生種T.dicoccoides,チモフェービ系野生種T.araraticumの全分布域から,計54系統のサンプルを抽出し,葉緑体DNAの制限酵素分析を行った. その結果,種内変異は極めて小さいが,種間には明瞭な分化が認められた. この事から,両系のコムギは2元的に起原したものであると結論した. 次に,Rubisco LSのH型の代表としてT.aestivun,L型の代表としてAe.Crassaを選び,両ペプチドをコードする遺伝子,rbc Lの全構造を決定した. 翻訳領域の塩基配列から,両型LSには3箇のアミノ酸の違いがあること,及びN末端から14番目のアミノ酸の違いが酵素活性の違いに関与していること,などを推定した.
2.イネ属:前年度,栽培種のO.satiava ecosp.JaponicaとIndica及びO.glaberrimaの間に葉緑体ゲノムの分化が認められることを報告したが,今回はO.satiavaの野生種O.perennisとO.glaberrimaの野生種O.breviligulataの葉緑体DNAの制限酵素分析を行った. その結果,O.perennisにはJaponica及びIndica型の葉緑体ゲノムをもっものが存在すること,及びO.breviligulataの葉緑体ゲノムはO.glaberrimaのものと同一であることが判明した.
3.ヤマノイモ属:D.oppositaとD.bulbiferaの葉緑体DNAの物理地図を3種制限酵素を用いて作成するとともに,この両種とD.japonica,D.alataの計4種15個体の葉緑体DNAの制限酵素分析を行い,D.opposita(D.japonicaを含む),D.alata,D.bulbifera3者間の関係を推定した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Murai, K.: Genetics. 116. 613-621 (1987)

  • [文献書誌] Terachi, T.: Japanese Journal of Genetics. 62. 375-387 (1987)

  • [文献書誌] 常脇恒一郎: 育種学最近の進歩. 28. 62-74 (1987)

  • [文献書誌] 田口文緒: 遺伝. 41(10). 88-93 (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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