研究課題/領域番号 |
60430027
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
廣海 啓太郎 京大, 農学部, 教授 (50025425)
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研究分担者 |
赤坂 一之 京都大学, 理学部, 助教授 (50025368)
中谷 博 京都大学, 農学部, 助手 (00026577)
大西 正健 京都大学, 農学部, 助手 (90026576)
外村 辨一郎 京都大学, 農学部, 助教授 (20026545)
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キーワード | 酵素-基質相互作用 / プロテアーゼ / アミノアシルtRNA合成酵素 / アミラーゼ / プロテアーゼインヒビター / 核磁気共鳴法 / 蛍光滴定法 / 誘導適合 |
研究概要 |
1.放線菌Streptomyces albogriseolus S3253を、重水素トリプトファンを含む混合アミノ酸培地で培養し、重水素置換トリプトファンをもつSSI(Streptomyces Subtilisin Inhibitor)を生産した。これを用いて、セリンプロテアーゼsubtilisinBPN′とその基質アナログとしてのSSIとの相互作用を重水素核NMRにより研究した。SSI分子の立体構造の中でトリプトファン-86を含む領域が"緩んだ"構造をとり、トリプトフアン-86の側鎖は、相関時間がナノ秒程度の速い内部運動を行っていることが示唆された。更に、SSIがsubtilisinBPN′と相互作用し、複合体を形成すると、SSI分子そのものに構造変化が生じ、トリプトファン-86を含む部分がより"緩む"と解釈される結果が得られた。これは、酵素-基質相互作用において、基質そのものがinducd-fitするという新しい概念に実験的根拠を与えるものである。 2.中等度好熱菌Bacillus steanothermophilusのL-バリン特異的アミノアシルtRNA合成酵素を精製単離し、このものとアミノ酸およびATPとの相互作用を、平衡透析法および酵素の蛋白蛍光の変化を指標とする蛍光測定法により解析し、本酵素のピロリン酸-ATP交換反応による触媒活性と対比検討した。その結果、本酵素は、まず、ヌクレオチドの中ではATPのみに特異性を示し、ATP共存下において、アミノ酸に対する基質特異性を強化することが明らかになった。また、速度論的解析から、本酵素に対するL-バリン及びATPの結合はランダム機構に従うことがわかった。 3.R.niveusのグルコアミラーゼは、触媒活性のないpH領域でも基質マルトースと特異的に結合した。
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