研究課題/領域番号 |
60440054
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮崎 保 北海道大学, 医学部, 教授 (10075161)
|
研究分担者 |
浜田 結城 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (50175543)
桜田 恵右 北海道大学, 医学部, 講師 (80002161)
|
キーワード | フェリチン(赤血球) / フェリチン(酸性) / フェリチン(塩基性) / 不応性貧血 / 等電点電気泳動 / ConA Sepharose結合 |
研究概要 |
1)輸血などの治療を受けていない不応性貧血refractory anemia(RA)6例について赤血球フェリチンを測定した。尚、骨髄赤芽球については、検体量と細胞分離の問題で現在検討中である。 2)溶血液の作製はCazzolaら、Weydenらに準じ、フェリチンはIRMA法(Spac Kit 第1ラジオアイソトープ社)およびR-PHA法(山之内製薬)を用いて同一検体について同時に測定した。 3)健常人対照の赤血球フェリチン値はIRMA法で男20.7±9.7ag/cell、女11.1±5.5ag/cellで、男子は女の2倍であり、R-PHA法でも男40.3±9.6ag/cell、女16.1±7.4ag/cellで性差を認めた。 4)RA6例の赤血球フェリチンは、1例を除いて健常人より高値を示し、R-PHAによる酸性フェリチンを示唆する値が塩基性よりも高かった。 5)カラム等電点電気泳動(PH4〜6)による検討では、健常人においてR-PHA法でPI5.2とPI5.6付近にピークを認める2峰性パターンを示したが、IRMA法ではR-PHA法と同じPI5.6付近にピークを認めるのみであった。これに対してRA症例では健常人と同じく、PI5.6付近に小さなピークを認めたが健常人で認められた酸性側ピークよりもさらに酸性側のPI4.9付近でIRMA法、R-PHA法ともに幅の広い大きなピークを認めた。ConA Sepharoseによる検討ではRA、健常人ともに、ConA結合は殆んどみられなかった。 6)以上の結果より、RAの赤血球フェリチンでは健常人に比し、酸性フェリチンの増加している事が明らかとなった。 6)赤血球フェリチンの測定、分析は前白血病状態としてのRAの診断に有用であることが示唆されつつある。
|