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1986 年度 実績報告書

エックス線による突然変異・発癌・加令の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 60440106
研究機関京都大学

研究代表者

池永 満生  京大, 国立大学(その他), 教授 (70025378)

研究分担者 小野 哲也  京都大学, 放射線生物研究センター・晩発効果研究部門, 助教授 (00107509)
岡田 重文  京都大学, 放射線生物研究センター・晩発効果研究部門, 教授 (70010048)
内海 博司  京都大学, 放射線生物研究センター・突然変異機構研究部門, 助教授 (20025646)
佐々木 正夫  京都大学, 放射線生物研究センター・突然変異機構研究部門, 教授 (20013857)
石崎 寛治  京都大学, 放射線生物研究センター・放射線システム生物学研究部門, 助手 (70111987)
キーワードエックス線 / 突然変異 / 発癌 / 加令 / DNA塩基置換 / 染色体異常 / 潜在性致死損傷回復
研究概要

エックス線が個体や細胞を殺したり、突然変異を誘発したり、実験動物に癌を発生したりすることはよく知られている。また、エックス線は動物の老化を促進させるのではないかとも考えられている。これらのエックス線,つまり電離放射線の作用に関しては、現象そのものはよく知られているがそれらがなぜ生じるかという分子レベルでの機構については、ほとんど何も分っていない。本研究はこれらの分子機構を解明するためのアプローチの一つとして組織されたもので、本年度は以下の結果を得ることができた。
1.全塩基配列がすでに決定されている大腸菌のサイクリックAMPリセプター遺伝子を含んだプラスミドのDNAをエックス線で照射して、生じた突然変異がいかなる塩基配列の変化によるものかを検討した。照射したDNAを大腸菌にトランスフェクションすることで形質転換させ、乳糖を分解する能力で突然変異を判定した。突然変異体からプラスミドを回収して遺伝子部分を切出し、その全塩基配列をシーケンスゲル上で決定する。すでに100個の突然変異体を集め、現在それらのDNA塩基配列を分折中であり本年秋頃には全ての解析を終える予定である。
2.マウス胎児から樹立した近2倍体細胞株をエックス線で照射し、細胞の癌化(トランスフォーメーション)と染色体異常との関係を調べた。X線照射によって得られたトランスフォーマントの染色体を調べると、(a)染色体の部分的重複を持つもの、(b)第13番染色体の一部または全部が欠失したもの、が全体の4分の3を占めていた。ヌードマウスに移植した場合の悪性度はaの方が強く、細胞の癌化と染色体異常との関連を示唆した。
3.ハムスター細胞のエックス線による潜在性致死損傷からの回復について、高張塩溶液中での回復の解析によって、この回復には細胞膜が深く関与していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 池永満生 他: 放射線生物研究. 22. (1987)

  • [文献書誌] Kanji Ishizaki,et al.: Journal of General and Applied Microbiology. 32. 425-432 (1986)

  • [文献書誌] Yousuke Ejima,et al.: Mutation Research. 159. 117-123 (1986)

  • [文献書誌] Hiroshi Utsumi,et al.: Radiation Research. 107. 95-106 (1986)

  • [文献書誌] Shigefumi Okada,et al.: Radiation Protection Dosimetry. 16. 137-140 (1986)

  • [文献書誌] Tetsuya Ono,et al.: Biochemical Biophysical Research Communication. 139. 1299-1304 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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