研究概要 |
本年度は、本研究の目的と計画にもとづいて、昭和60年度に行った豊川上流山間地域(設楽町,鳳来町,東栄町,豊根村)の現地調査で蒐集した基礎的データの整理分析と行った。その成果を中間報告としてとりまとめ、第37回関西社会学会大会(昭和61年6月1目、会場:同志社大学)において、『東三河における山村構造の分化と統合-豊川流域圏の社会とその変容(その【II】)』を共通テーマにして共同発表を行った。各項目はつぎのとうりである。(1)問題の所在、(2)稲作型山村における社会結合の変容、(3)賃労働依存型山村における分化と結合、(4)ダム建設計画に対する住民の対応形態。 さらに前年度に引続いて、他の調査対象地である豊川中流域(新城市,豊川市)において3地区を選定し現地調査を行った。また下流臨海工業地帯(豊橋市,田原町)の基礎的データと、渥美農業振興地域(田原町,渥美町,赤羽根町)の補充的データの蒐集、調査を各行政機関等で実施した。現在、これらの調査で得られた資料の集計・整理と分析を進めている。 以上の具体的作業と同時に、二年度目として本研究の理論的深化をはかるために、流域各対象地間の比較検討、研究の理論的枠組、芳法についての再検討などに関しての研究会を定期的にもち、計画に沿った成果を得るよう努力した。 その結果、従来の研究目的、計画を大巾には修正する必要はないので、62年度についても、今年度までの成果にもとづいて最終的なとりまとめの作業を推進する予定である。
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