研究分担者 |
安井 寛治 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70126481)
井上 泰宜 長岡技術科学大学, 分析計測センター, 助教授 (30016133)
鎌田 喜一郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80100999)
弘津 禎彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70016525)
上林 利生 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20111669)
|
研究概要 |
研究期間の第2年度末より最終年度初め(61年11月〜62年4月)におけてマイクロ波用デバイスの試作をはじめたが,それらは基礎特性の測定段階でしばしば破壊することがわかった. その原因として, (1)基板用6HーSiC結晶の均貭性が必ずしも良好でない. (2)現用の固体ソースMBE法では長時間の結晶成長ならびに不純物を導入した成長の際の制御性が不充分であることなどによると考えられ,これらの改善をはかる必要があることがわかった. そこで成長法を一部改善することにした. その要点は, (1)基板に良貭でしかも結晶面やオフアングルが確実に出せるSiを用い,炭化法で先ず良貭な3CーSiC薄膜を形成し, その上にデバイスを作成する. (2)固体ソースより制御性よくしかも成長温度をさらに低温にすることが可能と思われるガスソースMBE法を用い,不純物導入の均一性も改善する. このような実験装置の一部改装を62年5月より実施し, 約2ヶ月で完了し直ちにガスソースMBE法による結晶成長を開始した. 供給ガスの組合せは数種類のものについておこなった結果, Siソース用としてはSiHCL_3,Cソース用としてはC_2H.ナ_<4.ニ>の組合せが有効であることを見出した. 成長温度については初期成長の炭化法ではC.ナ_<2.ニ>H.ナ_<4.ニ>の4の供給で750℃程度まで低下させうることがわかり, その際のヘテロ界面近傍の結晶状態はRHEED(反射形高エネルギー電子回折)により成長状況をin siteに観測しSi基板から良貭なSiC薄膜が成長してゆくことが確かめられている. 炭化後の3CーSiC面上への通常の結晶成長も1000℃程度の成長温度で良貭な結晶が成長できることが確かめられた. これらの成長温度は従来の方法より約300℃,および約150℃それぞれ低減できており,これらの事実も結晶性の向上に寄与していると考えられる. 研究は間もなく不純物の導入,基本素子の作成実験の段階に入れる予定であるが,計画の一部変更により研究完了は多少遅れる見込みである.
|