研究分担者 |
安井 寛治 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70126481)
井上 泰宣 長岡技術科学大学, 分析計測センター, 助教授 (30016133)
鎌田 喜一郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80100999)
弘津 禎彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70016525)
上林 利生 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20111669)
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研究概要 |
本研究は, (1)MBE法により高品質の3C-SiC軍結晶を成長させる方法を確立すること. (2)SiCを用いた高性能デバイス特に最終的にはミリ波帯の発振素子を開発することの二つの主要目的をもつものである. そして初年度, 次年度までの計画は大半予定通りに推進することができた. すなわち初年度には当時保有していたMBE装置を交付研究費により性能向上させ, 電子ビーム加熱法を用いた団体ソースMBE法でノンドープでかなり高品質なSiCを成長させるための条件を見出し, 次年度にはP,n雨伝導型のSiCの成長を試みた. n型の3C-SiCの成長には再現性に稍問題が残ったが, 硼素をドープしたP型3C-SiCの成長法は確立でき, さらにn型6H-SiC基板上にP型3C-SiCを格子不整合なく成長させきPn接合素子を作成し, その電圧-電流特性, アバランシ特性などの測定をおこなうことができた. これらにより上記(1)の目的はほぼ達成することができた. その後マイクロ波帯用のIMPATT素子の試作をおこなったが, これらはかなり高電界下での動作となるためパルス動作で測定をおこなったが破壊が相次ぎ, 結晶成長法や素子作成法などをかなり根本的に見直す必要にせまられた. これらに対する対策や, その後の実験経過は62年度実績報告書に詳細に記したが, それらの要点は, 成長法をガスソースMBE法に変更し, 基板も良質な結晶が得られるSiに炭化法により薄いSlC層を成長させたものを用いることにし, その上に所望のSiC層を成長させる方法をとることにした. 装置の改装後62年7月頃より実験が再開でき, 先ずSi, C各分子線源用ガスの組合せに対する基礎実験をおこないSiHCl3, C2H4の組合せが良好な結果を与えることを見出した. C2H4による炭化は750°C程度で, 通常の結晶成長は1000°C程度で可能で, いずれも従来法より大幅に低温化成長ができ良質な結晶がえられることを見出している.
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