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1986 年度 実績報告書

偏導関数計算と丸め誤差評価の自動化のためのプログラム言語と処理系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 60460130
研究機関東京大学

研究代表者

伊理 正夫  東大, 工学部, 教授 (40010722)

研究分担者 久保田 光一  東京大学, 工学部, 助手
室田 一雄  東京大学, 工学部, 助教授 (50134466)
キーワード自動偏導関数計算 / 丸め誤差評価 / 高速自動微分 / ヤコビ行列計算 / ヘッセ行列計算 / プリプロセッサ
研究概要

本年度は昨年度にひき続き、多変数非線形関数の(1)勾配,(2)ヘッセ行列とベクトルの積,(3)計算された関数値に含まれる丸め誤差の評価値,を関数評価に必要な手間の高々定数培の手間で求めるという「新原理ー高速(自動)微分法」を実現する処理系の作成を行った。この処理系はFORTRANプリプロセッサの形をり、関数を計算するプログラムを受けてこれを関数値とともに上記(1),(2),(3)を計算するプログラムに変換して出力するものである。昨年度中に完了した設計をもとに、我々は中型計算機(VAX-8600)上でC言語により処理系を記述した。この処理系を用いて、従来は遂行が困難であったところの「線形方程式系解法における枢軸選択やスケーリングが、解に含まれる丸め誤差へ及ぼす影響を調べる数値実験を行うことができた。この困難な実験を遂行することが可能であるということは、高速自動微分法の効力と有用性を実証するものである。
また、高速自動微分法の算法,処理系の概要,高速自動微分法のより精密な定式化を含めた総括を、日本OR学会,数値解析シンポジウム,研究集会「グラフ理論の数値計算への応用」,数理計画シポジウム、にて発表した。一方、小型計算機上のC言語翻訳系使用により、処理系が小型計算機上でも動作することを確認している。比較的複雑な関数を表す約五百行のプログラムを変換したところ、出力されるプログラムは約9千行になった。この変換後のプログラムの翻訳・実行は変換前のそれの約40倍となった。現在、この変換後のプログラムの翻訳・実行時間を短縮するために、処理系の改善を検討している。
文献調査により、海外でも多くの同種の研究が行われていることが判明したが、我々の作成したような処理系は未だ無い。我々はこの点で一歩リードしている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 久保田光一,伊理正夫: 日本OR学会1986年度春季研究発表会アブストラクト集. 38-39 (1986)

  • [文献書誌] 久保田光一,伊理正夫: 第15回数値解析シンポジウム論文集. 84-87 (1986)

  • [文献書誌] 伊理正夫,久保田光一: 第7回数理計画シンポジウム論文集. 159-184 (1986)

  • [文献書誌] 伊理正夫,久保田光一: グラフ理論の数値計算への応用,昭和61年度共同研究報告書,統計数理研究所. 61-75 (1987)

  • [文献書誌] 久保田光一,伊理正夫: グラフ理論の数値計算への応用,昭和61年度共同研究報告書,統計数理研究所. 154-163 (1987)

  • [文献書誌] Kazuo Murota: Discussion Paper Series,Institute of Socio-Economic Planning,University of Tsukuba. 317. (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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