研究概要 |
先天性代謝異常症の副腎皮質過形成症,胆道閉塞症,胆汁酸代謝異常証の診断、病態の解明にはそれぞれ多種類のステロイド,胆汁酸,有機酸を一斉同時に分析することが必要とされている。又、本研究では対象患者が新生児や未熟児であることから検体量に制約があり、より高感度な方法が望ましい。本研究では酵素リアクターを用いての胆汁酸類の蛍光HPLC法及びノーブロムアセチルピレンを誘導体化剤とする胆汁酸の硫酸エステル類のHPLCを確立し、それぞれ、J.Biomedical Chromatography,及び分析化学に掲載された。 これらの経験を基礎とし、更に高感度化の目的で、検出方法を蛍光法から化学発光法にかえて以下の検討を行った。 1.ルシゲニンを用いる化学発光HPLC法による尿中テトラヒドロコルチコステロイド類の定量:血中及び尿中の副腎皮質ステロイド類は肝で水溶性抱合体となり主としてテトロヒドロ体となり排出されるので、当研究室で開発したルシゲニンによる化学発光反応を用いてこれらテトラヒドロコルチコイドを化学発光検出HPLCで分析する方法の検討。(一部International Symposium Advance in Chromatography,Chiba 1986 10月に発表) 2, 3α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを固定化し、生成する NADHを化学発光HPLCで検出する方法の検討:当研究室で開発したフェナジンメトサルフェート及びイソルミノールを用いるNADHの化学発光法をHPLCの検出系への適用の検討(一部International Symposium Advance in Chromatography Chiba,1986,10月に発表)
|