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1986 年度 実績報告書

銅,亜鉛スーパーオキシドデスムターゼ(SOD)の立体構造と生理作用

研究課題

研究課題/領域番号 60470153
研究機関大阪大学

研究代表者

勝部 幸輝  阪大, 蛋白質研究所, 教授 (20032013)

研究分担者 畑 安雄  大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (10127277)
田中 信夫  大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (50032024)
キーワードスーパーオキシドジスムターゼ / タンパク質のX線結晶解析
研究概要

昭和60年度の研究において、ホーレン草スーパオキシドジスムターゼ(SOD)のアミノ酸配列の決定及び5【A!°】分解能でのX線結晶構造解析に成功した。本年度は申請書に記載した研究計画に従って2.0【A!°】分解能での構造解析及び構造精密化を行った。その結果、結晶学的なR因子は24.9%となった。SODは分子内に【Cu^(2+)】と【Zn^(2+)】との2種の金属イオンを持っているが、これらの金属イオンは、その電子数がわずか1しか違わないので、電子密度分布図で区別することができない。そこで、申請者らは、波長可変であるシンクロトロン放射光を用いて、両イオンの異常分散効果の違いを測定し、いわゆる「異常分散差フーリエ合成」を行うことによって、これら2種の金属イオン種を区別することに成功した。この方法は新しい解析法で、今後、原子番号の近い金属イオン或は金属原子の区別に多く用いられるものと期待される。
ホーレン草のSODは、8本の逆平行のβ鎖からなるβバレルと3つのループから構成されている。活性中心に存在する2種の金属イオンのうち、【Cu^(2+)】は分子表面に存在し、活性発現に直接関与しているが、【Zn^(2+)】は分子内部に存在し、活性中心附近の立体構造保持に関与しているように思われる。【Cu^(2+)】は歪んだ平面4配位の構造を、【Zn^(2+)】は正4面体の構造をそれぞれとっているが、両金属イオンはイミダゾール環を介して結ばれた複核錯体を形成している。既に構造解析されている牛血液のSODと立体構造を比較してみると、対応するCd原子間のr.m.s.は1.5【A!°】で、立体構造の類似性は極て高いものであった。数個所においてみられる立体構造の違いは、主に分子表面で、一次構造上で挿入・欠失が起っている所である。現在、一次構造上での変化と立体構造の変化について詳細に検討している。これらの検討結果から、本酵素の立体構造と生理作用との関係についての知見が得られるものと期待している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Kitagawa: Journal Biochemistry. 99. 1289-1298 (1986)

  • [文献書誌] Y.Kitagawa: Acta Crystallographica. B43. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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