研究課題/領域番号 |
60480267
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
妹尾 久雄 名大, 環境医学研究所, 助教授 (40135380)
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研究分担者 |
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (80174308)
松井 信夫 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (50023643)
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キーワード | サイロキシン結合グロブリン / 遺伝子のクローニング / 発現ベクター / 遺伝病 / ジデオキシ法 |
研究概要 |
1.発現ベクターλgtllに組み込まれたヒト肝cDNAライブラリーを用いたサイロキシン結合グロブリン(TBG)cDNAのクローニング λgtllのEcoRI部位に組み込まれたヒト肝cDNAライブラリー(約2×【10^6】の独立した組換え体)を大腸菌Y1090株に吸着させ、150mm径のプレートに2×【10^4】pfuの濃度で軟寒天と共に培地に重層した。42℃4時間インキュベートした後、10mM IPTGで飽和後乾燥したニトロセルロース(NC)紙を重ね、挿入された遺伝子の産物とβガラクトシターゼとの融合蛋白を2時間誘導、NC紙に吸着せしめた。このNC紙と抗TBG抗体をインキュベーション後、結合した抗TBG抗体をアルカリフォスファターゼ結合抗兎1gGを用いて検出、2万個のコロニーから数個のクローンを得た。この融合蛋白は、精製TBGと抗体結合に競合することからTBGcDNAと固定した。2.TBGcDNAの塩基配列の決定:得られたTBGcDNAクローンのうち最長のインサートをpSP65に再度組み換えし、大量のインサートを得、これをM13バクテリオファージの二重鎖DNAに挿入、ジデオキシ法による塩基配列の決定を開始した。この際、本年度購入した遺伝子情報処理コンピュータが役立っている。3.TBGcDNAによるTBGmRNAの解析:TBG産生肝癌細胞株Hep G2より抽出したRNAをグリオキサール処理し、電気泳動後NC紙に転写(Northern Blotting)、これと【^(32)P】-dCTPで標識したプローベとハイブリダイズさせた。この結果、TBGmRNAは約16Sで、70-80塩基長さの異なる二つのmRNAの存在が確認された。4.健常者、ゲノムTBG遺伝子の構造解析:健常者の抹消血中のリンパ球より採取したDNAを種々の制限酵素により分析後、アガロース電気泳動を行い、これをNC紙に転写後、【^(32)P】-dCTP標識プローベとハイブリダイズした。その結果、TBG遺伝子は一つであること、少なくともHae【III】、BanH【I】、Pvu【II】、Hinf【I】部位の多形性のないことが明らかになった。
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