研究概要 |
本年度は昭和60年度, 61年度に実施した研究成果のとりまとめ作業を主に行なった. 即ちラット, マウスを用いた実験的関節円板負荷実験により得られたデータを, ヒトの顎関節症ー顎関節内障症例の摘出円板の組織化学的標本と比較して, 以下の共通せる所見を得た. 両者共に円板を構成するコラーゲン線維の走向に乱れを認め, 通常では無血管組織の円板円に毛細血管の侵入が, 隣接する温膜組織から連絡して認められた. また軟骨細胞の観察されない後新円板組織内に関節の病的負荷による結果と思われる軟骨細胞の局在を認めた. 組織化学的染色方法の実施によりこの軟骨細胞周囲にはムコ多糖体の局在を証明したことから, これらは形態的のみならず, 機能的にも軟骨化生せるものと推察された.
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