研究課題
本年度の研究はg=5のコムパクトなリーマン面の自己同型群のアイヒラーのトレース公式を主として用いて完全に決定することであった。本研究の初年度即ち昨年度の研究ではg=4の場合の自己同型群を完全に決定した。"On automorphism groups of compact Riemann surfaces of genus 4."Proceeding of the Japan Academy Ser(A)Math.Sciences Vol LXII.Ser.A.No2(1986)その群の決定にはアイヒラーテストとリーマン・フルヴィツテストであった。そしてリーマン面の確認にはハーツホーンの定理を用いた。しかしg=5の場合にはアイヒラーテストとリーマン・フルヴィツテストに合格してもリーマン面からは来ない群があることが示された。更にハーツホーンの定理もg=4の場合に特有なもので一般の場合には通用しないものである。この困難を除く爲にOn automorphism groups of a curve as linear groups.J.Math.Soc.Japan 39(1987)〓プレプリントをみて、ハーツホーンの定理に代わる事実を発見した。それをEX-テストと呼ぶことにするとg=4まではOKであるがg=5の場合には矛盾となる群は実はEX-テストに合格しない群であることが分った。従って、まずアイヒラーテストに合格する群をすべてとりあげる。その中でリーマン・フルヴィッテストに合格する群をみつける。そのように絞った後にEX-テストで篩にかける。生き残ったものがリーマン面から生ずる群で、リーマン面から生ずる群はそれに限ることが分った。差当り、その要約をProceeding of theJapan Academyに"ON automorphism groups of compact Riemann Surfaces of genus five"という題で投稿中でそのFull-paperは東北数学雑誌に投稿中である。尚種数5の場合最大位数の群G(192)は1パラメータのリーマン面の族をなすものから来るわけであるが、これのタイヒミュラーモジュラー群の構造、並びにEX-テストに不合格の群は記とQ並びにそれを含む群だけであることはg=6の場合にはどうであろうか?
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