研究課題/領域番号 |
60580178
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
和田 一洋 京大, 工学部, 助手 (50025996)
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研究分担者 |
高橋 修 京都大学, 工学部, 助手 (40127098)
薮下 信 京都大学, 工学部, 助教授 (60025921)
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キーワード | 炭酸ガスレーザー光 / 振動励起 / 高分子膜 / 気体透過 / 同位体分離 / 陽極酸化多孔質アルミナ膜 |
研究概要 |
研究期間中に得られた研究結果から、膜を透過する気体の流量をレーザー光で制御して同位体分離を行なうには、(1)膜内の空隙あるいは空孔の寸法・形状が透過気体の分子直径の尺度でそろっていること、(2)照射に用いるレーザー光に関して膜が透明であること、の少なくとも2つの条件を分離膜が具えていることが必要であり、さらに、(3)レーザー照射による気体透過の抑制効果を用いて同位体分離を行なうには、膜の孔径が透過気体の分子直径より僅かに大きくかつ出来るだけ分子直径に近いこと、が分離効果を大きくするのに必要であると考えられる。 炭酸ガスレーザー光を殆んど吸収しないポリエチレン膜で1.05程度の分離係数は得られた。膜を膨張させることで膜内の高分子鎖間隔が確かに透過気体分子の直径程度の大きさにはなっているが、その大きさがそろっていないことと、高分子鎖のセグメント運動を介して振動励起された同位体から他の同位体へのエネルギー移乗が可成り容易に起こることから、膜を用いるレーザー同位体分離には、高分子膜より無機多孔質膜の方が適していると思われるに到った。 陽極酸化法で作られた多孔質アルミナ膜の孔は直管状で孔密度が高く、孔径も10nmと小さいので、この膜をもとに孔径を1桁小さくする開発研究に新たに着手した(試験研究(1),61880020)。
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