はじめに 果菜数の熟度を推定し、出荷・輸送を考慮した収穫適期を判定するために、果菜類生育圃場において用いる現場測定計器の開発を目的とし初年度において基礎データを得る目的をもって実験を行なった。 実験装置及び方法 メロンの伸長の経時変化をみるために、大ひずみゲージをメロン果実表面に貼り、その肥大伸長を記録した。さらに収穫適期と称せられる時期を選び、スイカを対象として、数日間打撃試験を継続した。打撃音の波形から、最大振巾比である対称度、ピーク周波数、対数減衰率を求めた。また試料を円筒形に切り取り荷重を載せて、ひずみを測定した。その結果、応力-ひずみ曲線を画き直線部分からみかけのヤング率を求めた。また収穫したスイカを用いて打撃試験・載荷試験、プランジャを用いた貫入実験を行なった。貫入実験から計算により破断強度を求めた。 実験結果及び考察 メロン果実の肥大伸長をみると、生育前期が著しく、中期・後期に緩やかである。さらに24時間の生長では深夜-翌朝に肥大し、午後から夜半にかけて収縮している。 スイカの打撃音の波形の上下対称度、ピーク周波数、果皮のヤング率、重量、体積、直径について重回帰分析を行なうと、ヤング率は波形の対称度と赤道直径と5%の危険率で有意となった。このことからスイカは熟期が近づくと振動波形は上下対称となり、減衰は緩やかとなる。この時期には歯ざわりも良くなってくる。 肥大伸長は熟期に近づくと停滞することから、ある程度外観が大きいものは熟度がよいと考えられる。生育途中の生育阻害がなければ、大きいものが質もよく、熟度もよいと云える。
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