研究概要 |
1.学術用語の解析:従来入力していた学術用語集23分野に加え、鉱山治全と学術用語集には含まれていないが重要な分野の一つである情報処理の2分野を追加して解析を行った。多義性は全体の平均は1.4で英語から見ても、日本語から見てもほぼ同じであり、また分野を限定することにより多義性が減少すること、専門の分野とともに用語の構成語数が増加し、英語では2語以上が1語のものに対し70%で大部分を占めている。このことはデータベースにおける問合せが1部のキーワードより2部以上のキーフレーズを用いることにより適合率の向上に大きく寄与することを示している。またデータ、情報または図書の分、においてもキーフレーズにより精度の著るしい向上が予測され、実際にテストした結果もそうであった。 2.学術用語の標準化の課題:標準化の観点から学術用語の現状を検討してみると、各分野毎にはある程度整理されているが、分野の異ると同一の概念が異る用語になっている例が非常に多いことが認められた。用語自体が異る場合、漢字,片仮名,ひらかなの字種の異りの場合、外来語の表記の異る場合、長音記号の異る場合、漢字は同一でも読みの異る場合など各種の問題があり、それぞれが歴史的背景、基準の違いなどによっているので分野を通しての整理は今後の大きな課題である。また用語の多義性も正確な表現、解釈の面から厄介な問題であるがこれは分野内でも整理が不十分であることが明らかとなった。 3.学術用語集の応用:計算機可読化された学術用語集は種々の応用がある。本年は異る言語のデータベースへの多言語アクセスシステムへの応用を目標として、日-英-独の3言語間の相互変換のために用語をCD-ROMに収録した。2段索引方式によってパーソナルコンピュータでも高速にアクセス、表示できるシステムを設計し、PC9801上に実装した。
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