研究概要 |
超極限機能の発現を目指した超高秩序分子システムの実践的形態として1.「化学分子認識原理」と2.「多重修飾原理」に基づいて61年度に引き続き以下のように研究推進した. 1.(1)生体におけるDNAの塩基配列の特異的認識は, 最も高度な複合精密認識として知られ, ブレオマイシンの分子認識原理の解明とこれを利用した光駆動人工制限酵素ユニットを構築によって, その分子レベルでの人工的再現を行った. (2)光, 電子, 分子, 情報伝達手段となりうる流束変換超分子システムとして, 極めて高感度の分子-電子流束変換機能をもつ超分子センサーとアゾリピド秩序的に組み込んだ人工細胞による光-分子流束変換に信号増幅機能を付与することに成功した. (3)分子自己組織化として40種以上の新規液晶化合物を分子設計した. 特に, スメクチック型ビオロゲン液晶の分子による電気刺激応答機能の発現に成功した. 2.(1)超高秩序分子システムの実用化に向けての重要な要素である情報, エネルギー流束の受容, 発信機能を担うインターフェイス設計の一つとして, 導電性高分子累積膜による分子レベルの理想的接点接続法を原理的に確立し, 電子顕微鏡により単分子導電層の形成を直接確認した. さらに, (2)エネルギー伝達分子と半導体極を組み合わせ光捕集機能と電荷分離機能をあわせもつ人工光合成ユニットを構築した. さらに, (3)光流束と電気流束の二つの外部入力に対する変換機能をもつ分子の機能原理を確立し, それに基づいた具体的分子設計と機能発現を行った. サブミクロンオーダーでの膜厚方向制御を電解重合の際に電極電位走査をプログラムすることにより自在に材料設計する方法を原理的に示し, その制御分能を百メノメーターオーダーを目標る確認する予定である. 昭和63年度るついては, 「超高秩序分子システム」の設計原理に基づいて実現可能な「超極限機能」にかかわる物質設計を行う.
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