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1986 年度 実績報告書

免疫系における多様性発現機構の分子遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61065004
研究機関京都大学

研究代表者

本庶 佑  京大, 医学部, 教授 (80090504)

研究分担者 野間 隆文  京都大学, 医学部, 助手 (40189428)
佐邊 壽孝  京都大学, 医学部, 助手 (40187282)
武田 俊一  京都大学, 医学部, 助手 (60188191)
キーワード免疫グロブリン遺伝子 / リンフォカイン遺伝子 / 人工突然変異 / インターロイキン2の受容体 / インターロイキン5 / エンハンサー
研究概要

1.ヒト免疫グロブリンH鎖V領域遺伝子の新たなファミリーの発見。
我々はヒト免疫グロブリンV遺伝子群の全構成の解明に向けて、すでに1000キロ塩基対のDNA断片を単離し、その構造解析とマッピングの研究を進めているが、この過程でこれまで蛋白質の構造からは知られていなかった新しいファミリーに属する遺伝子7個を見つけ、その塩基配列の決定を行った。この遺伝子はいずれも機能を持つ遺伝子で、相互に90%以上の高い相同性を持つものであった。このファミリーを【V_(H-IV)】と名づけた。
2.ヒトインターロイキン2遺伝子の発現調節に関与する塩基配列の同定。
IL-2レセプター遺伝子の5'上流部分のDNA配列の様々な欠失断片とCAT遺伝子との連結により、その発現制御機能を検索したところ、IL-2レセプター遺伝子の転写開始部位の上流-100と-300の間に、エンハンサー様の活性を持つ領域が存在することが明らかになった。
3.IL-2レセプターの構造と機能の関係。
IL-2レセプターの構造の内で、ヒトとマウスの間で最もよく保たれている膜貫通部位と、細胞内部位の領域に様々な突然変異を導入したCDNAを人工的に作り、その発現をネズミ細胞株で行い、機能検定を行った。この結果、膜貫通部位及び細胞内の領域を変更しても機能的に全く損傷がないことが明らかになり、IL-2レセプターの細胞内への情報伝達には、第2のレセプター(コンバーターと称する)の関与が非常に大きいことが明らかになった。
4.インターロイキン5の遺伝子の単離。
これまでTRF(Tcell Replacing Factor)と呼ばれていたリンフォカインの遺伝子を単離し、その構造と機能をマウス及びヒトについて完了した。こと結果、TRFはB細胞増殖因子(BCGF【II】)や好塩球分化因子などの多様な活性を持つリンフォカインであることがわかり、インターロイキン5と命名した。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] Noma et al.: Biochemical and Biophysical Research Communications. 139. 353-360 (1986)

  • [文献書誌] Kinashi et al.: Nature. 324. 70-73 (1986)

  • [文献書誌] Azuma et al.: Nucleic Acids Research. 14. 9149-9158 (1986)

  • [文献書誌] Kondo et al.: Proceedings of The National Academy of Sciences of The United States of America. 83. 9026-9029 (1986)

  • [文献書誌] Hamaguchi et al.: 365. 268-273 (1987)

  • [文献書誌] Otsu et al.: Molecular & Cellular Biology. 7. 708-717 (1987)

  • [文献書誌] Kanamori et al.: Cold Spring Harbor Symposium.

  • [文献書誌] Severinson et al.: European Journal of Immunology.

  • [文献書誌] Ikuta et al.: Proceedings of The National Academy of Sciences of The Unites States of America.

  • [文献書誌] Suzuki et al.: Journal of Biological Chemistry.

  • [文献書誌] Lee et al.: Journal of Molecular Biology.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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