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1986 年度 実績報告書

シンクロトロン放射利用の新しいX線回折法による混晶半導体の構造評価

研究課題

研究課題/領域番号 61214002
研究機関東京大学

研究代表者

菊田 惺志  東大, 工学部, 助教授 (00010934)

研究分担者 石川 哲也  高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助手 (80159699)
泉 弘一  東京大学, 工学部, 助手 (10184574)
キーワードシンクロトン放射 / X線回折法 / X線異常分散 / X線回折強度曲線 / 混晶半導体
研究概要

本研究は混晶半導体の構造をX線回析法によって解析することを目的としている。入射X線の波長を原子の吸収端近傍に選べば、異常散乱を生ずる。散乱波は振幅とともに位相も変化し、原子散乱因子に異常分散項が付加する。本研究ではとくにこの異常分散効果を利用した。シンクロトロン放射X線は連続スペクトルをもつので、このような研究に適している。
試料として【(InAs)_1】【(GaAs)_1】単原子層超格子結晶と【In_(o.53)】【Ga_(o.47)】As半導体アロイ結晶を用いた。いずれもInp(100)基板上にMOCVD法によりエピタキシャル成長させたものである。実験は高エネルギー物理学研究所放射光実験施設でウィグラービームラインで行なった。分光結晶系でAsとGaのK吸収端近傍の波長のX線をとり出し、試料に入射し、回折強度曲線を測定した。
【(InAs)_1】【(GaAs)_1】超格子結晶の場合、(004)反射の回折強度曲線にみられた基板からと超格子層からの反射ピークの積分反射強度を求め、それらの比をとった。一方、動力学的回折理論にもとづく計算から積分反射強度の比を得て、実験値と比較した。その結果、(100)原子面についてみると、In-AsとGa-Asの結合長のちがいにより、As原子面は仮想結晶における位置からGa原子面の方へ0.09【A!゜】だけずれていることが解析された。この値は理論値0.12【A!゜】にかなり近い。【In_(0.53)】【Ga_(0.47)】Asアロイ結晶の場合、(004)反射のほかに、(002)、(006)の準禁制反射などに調べた。5umの厚さにわたって深さ方向に、結晶成長条件に影響されたかなりの組成変動がみられた。表面に平行な数個の層に分かれた構造をもち、各層には△d/dに1×【10^(-3)】ていどの差があった。
本研究を通じて、異常分散を利用したX線回折法は、結晶評価に有効であることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S.Kikuta;K.Izumi;Y.Oguri;T.Ishikawa;T.Fukui;H.Saito;H.Koizumi;K.Sugii: Photon Factory Activity Report. 4.

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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