研究課題/領域番号 |
61301087
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研究機関 | 駒沢大学 |
研究代表者 |
中村 和郎 駒沢大, 文学部, 教授 (70087063)
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研究分担者 |
堀 信行 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40087143)
千田 稔 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (20079403)
久武 哲也 甲南大学, 文学部, 助教授 (70108968)
小林 茂 九州大学, 教養部, 助教授 (30087150)
野澤 秀樹 九州大学, 文学部, 教授 (00036998)
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キーワード | 生活空間組織 / 景観 / 環境観 / 空間の秩序 |
研究概要 |
1.6月15日、東京において研究集会を開き、本研究課題に関連して、各自が既に行なってきた研究成果を開陳し、分析枠組みなどについて討議を行なった。 2.地理学思想史上、重要なヴィダル・ド・ラ・ブラーシュの諸概念のなかに、ローカルなものから一般的・普遍的なものへの移行を見出した。 3.畿内を中心として古代の日本の文化景観、なかでも、宮都の選地において、道教思想が影響を与えていることについて考察した。このことが地方の国府や郡家にもあてはまることが予想された。 4.阿蘇外輪山西麓の火砕流堆積物からなる台地に、近世初頭に開かれた灌漑水利体系を複元し、用水慣行・土地利用様式・イネの作付様式などに火砕流堆積物特有のものが明らかになった。さらに、この水利システムが信仰やひいては環境観にもむすびつく可能性が示された。 5.沖縄・奄美の村落と瀬戸内海沿岸の村落について、集落内と、その周辺の土地利用、非土地利用空間との間にみられる空間的秩序とそれを形成維持している社会システムとの対応を考察しようとした。また、こうした生活空間の秩序に見出される象徴的性格についても検討し、環境観とのかかわりを考察した。 6.沖縄で「字有地」として明確に位置づけられる入会共有地は、可耕地の限られる自然条件の中で、時代に応じて、人々の生存に大きな役割を果してきたことを明らかにした。 7.日本海側の「離島振興法」対象島興のなかから「脱離島化」を果した島と、依然として離島であり続けている島との比較研究により、「離島であること」が島の行政や住民の意識にどのような制約条件になっているかを考察した。
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