研究分担者 |
清水 喜和 駒沢大学, 文学部, 講師 (50178993)
増沢 武弘 静岡大学, 理学部, 助手 (40111801)
須藤 真平 金沢医科大学, 講師 (90148164)
船越 真樹 信州大学, 理学部, 助手 (10115371)
武藤 信子 東京都立大学, 理学部, 助手 (10112476)
|
研究概要 |
昭和62年度に得られた知見とした,以下の点が挙げられる. 1. ギンネムは,土壌の深い適潤地ばは樹高10〜13mの,浅い岩盤地では1m前後の,土壌のやし深い乾性の傾地では4〜6m株分を成立させている.いずれも向陽の開放地に成立しているが,小数ではあるが地樹種の被圧下にあり崩壊直前の小林分も見出される.樹高の差異にみられるようにギンネムは著しく適応力が強く,樹高に応じた立林密度や構成木のさまざまな型の林分をみせている 2 したがって,ひとたび開放地にギンネム林が成立すると,これが人為にようずに在来植生へ変化して行く可能性は極めて少ない,しかし適潤地の大形ギンネム林の一部では,上層木の一せい枯死による更新の過程に入っている.このような機会が,在来植物のギンネム林への侵入にチャンスを与えている. この機会にギンネム林へ侵入して在来植物がキンネム林冠の上に樹冠を拡げるようになれば,ギンネム林は崩壊の過程に入り,遷移が進行する. 3 これに反し,アカギ林に在来植物が侵入し,アカギ林から在来植生への遷移が起り得ることを示すような徴候は,本年度の調査においても全く見出せなかった. 4 適湿地の在来植生へのアカギの侵入は,父島,母島の随所て観察された. アカギは着実に在来植生を破壊しつつあり,これへの対応が必要であることが示された.
|