研究分担者 |
中川 昌一 大阪府立大学, 農学部, 教授 (90081447)
杉浦 明 京都大学, 農学部, 教授 (00026379)
細井 寅三 静岡大学, 農学部, 教授 (60022034)
岩政 正男 佐賀大学, 農学部, 教授 (40039334)
石原 愛也 岩手大学, 農学部, 教授 (20011827)
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研究概要 |
果樹の遺伝資源の収集・保存とその利用に関する研究を行ない, 昭和62年度に次の成果を上げた. 1.世界で唯一の自家和合性日本ナシ'おさ二十世紀を母本とする自殖および交雑第1代について遺伝分析を行なうとともに, 自家和合性で黒斑病抵抗性を有する系統を選抜し, 組織培養による大量増殖の技術を確立した. 2.リンゴ茎頂の凍結保存方法について検討し, 保存用のシュートは老化させ, さらにBAと塩類を少なく, 糖を多くした培地にABAを加えて培養すると凍結解除後の生存率を高められることを明らかにした. 3.ユズ類の品種改良のため,ユズ,スダチ,ハナユ,カボスの交雑を行ない2000個体育成中である. さらにカンキツとcitropsisとの属間交雑,シキキツとオレンジの細胞融合を行ない,それぞれ個体を得た. 4.モモの胚より直接的に不定胚を分化させる培養系を確立し,さらに in vitro におけるクリの大量増殖には,WPM培地に低濃度BAを添加した培地がよいことを明らかにした. リンゴ組織からのプロトプラスト分離条件を調べ種子起源のカルスからの分離条件を明らかにした. 5.アイソザイムによるカキの品種類別の方法を検討し,成葉のGDH(グルタメートデハイドロゲナーゼ)とPGM(ホスホグリコムターゼ)を分析すれば,前者のみで14品種,後者のみで43品種の識別同定が可能であることを明らかにした. 6.収集した日本産野生ブドウについて,台木としての有用性を判定するため,休眠と耐凍性,挿木繁殖の難易,接木の親和性と繁殖,接木個体の生長反応の調査を行ない,優良種を選抜した.
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