研究課題/領域番号 |
61410003
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 勉 東北大学, 文学部, 教授 (10004037)
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研究分担者 |
長谷川 計二 東北大学, 文学部, 助手 (00198714)
永井 彰 東北大学, 文学部, 助手 (90207960)
海野 道郎 東北大学, 文学部, 助教授 (90016676)
斎藤 吉雄 東北大学, 文学部, 教授 (10004029)
船追 衛 東北大学, 文学部, 助教授 (90047184)
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キーワード | 農業生産組織 / 土地改良 / 兼業化の深化 / 農民層分解 / リーダー |
研究概要 |
富山県砺波市は、富山市の通勤圏内にあり、第2種兼業の数が飛躍的に増大しつつある。安定した農外就労の雇用機会の増大は、離農を顕在化させつつある。その一方で、ごく少数ながら、専業としての農業に志向〓が農家も各集落に確実に存在している。こうした状況で、転作問題もからんでバ田畑転換の可能な圃場への整備への要求が高まり、大規模圃場の計画が現実的日程に昇っている。そうした中で、ごく少数とはいえ、稲作の大規模な受託組織が形成されている。その典型的な事例が農事法人「若林農園」である。この農園は、特にその事務処理能力に長けており、そのさいに婦人層の力が大いに発揮されているのが注目される。この農園は集落の農家と信頼の厚い安定した関係にあり、単に稲作の受託にとどまらず、その機械を活用して集落の道路や用排水の整備に積極的に関与している。このことが信用をいっそう高め、それがまた受託規模の増大につながっている。農園の内部では婦人層の労働の尊重により明るい人間関係が実現されており、鹿島台町山船越地区や安城市高棚地区の組合に比べて、いろだんと人間的な組織になっていると評価できる。なお、軽米町車門地区では、リーダーの農家の後継者が肉牛の大規模経営を始め、現代的なユイが根底から危機に直面していることが明らかになったし、山船越地区では、養鶏組合が低卵価で四苦八苦の状況にあり、地域複合経営の結成以来の一大危機に直面していることが判明し、高棚地区では営農組合のリーダーの後継者が大学卒業後組合に入ることが期待されていたが、結局入らず、リーダーが落胆し組合への熱意を失いつつあることが判明した。これに対して、長野県宮田村では、狭い意味での農業面での土地改良がいちおう終了し、全村的な集落営農がますます成功裡におこなわれているとともに、下水道などの整備により、さらに快適なむらづくりが進められている。
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