研究課題/領域番号 |
61440003
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
千原 光雄 筑大, 生物科学系, 教授 (60000147)
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研究分担者 |
堀 寛 名古屋大学, 理学部, 助手 (60116663)
井上 勲 筑波大学, 生物科学系, 講師 (70168433)
横濱 康継 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (50015583)
堀 輝三 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (90057563)
猪川 倫好 筑波大学, 生物科学系, 教授 (50015541)
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キーワード | 緑色鞭毛藻 / プラシノ藻類 / 系統 / 分類 / 微細構造 / 光合成色素 / 光合成代謝産物 / 5srRNA |
研究概要 |
1 研究資料の蒐集と培養及び分類の研究 プラシノ藻類に所属する緑色鞭毛藻12属30余種及び緑藻類11属20余種の培養を確立した。多くは海及び淡水より採集・分離したものであるが、数種はテキサス大学及び国立公害研究所の藻類株保存施設より分譲を受けた。これらのうちの3種は新種、1種は新組合せ、1属は日本新産である。 2 鞭毛装置の研究 上記の藻類中プテロスペルマとパキスファエラ所属の2種は非対象構造の装置をもち、従来知られない様式を示す。生活環において不動球形体の相をもつ上記2属に加えてハロスファエラ属の鞭毛装置は狭義の緑藻類と陸上の緑色植物系列の両方の性質を合わせもつことが判明した。 3 細胞分裂機構 5種について解析を続行中であるが、その中の1種プテロスペルマ・クリスタツムで詳しい知見を得た。様式は核膜が保持されたまま染色体の分離・分配がおこる亜開放型核分裂であるが、紡錘体本体は核外に存在するので、緑色植物には従来知られていない特異なものである。 4 光合成色素組成の研究 5属6種についてカロテノイド組成を研究した。プラシノ藻に属する5種は緑色植物には知られない特異な組成をもつこことがわかった。すなわち、ルティンの誘導体であるシフォナキサンチン及びそのエステルであるシフォネインをもち、さらに未知のカロテノイドを種により2〜5種類含有し、その数は合計すると9種類にもなる。それらのうちの4種はオレンジ色であり、生体内で緑色光を吸収することが示唆される。 5 5srRNAの塩基配列の研究 緑色鞭毛藻10余種について解析中である。さらに比較のために大型緑藻10余種についても研究を続けている。 6 光合成代謝産物、特にグリコール酸経路の研究,プラシノ藻及び緑藻の代表種5種について関与酵素群の比較生理学的研究を続行中である。
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