研究分担者 |
堀 寛 広島大学, 医学部, 助教授 (60116663)
井上 勲 筑波大学, 生物科学系, 講師 (70168433)
横浜 康継 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (50015583)
堀 輝三 筑波大学, 生物科学系, 教授 (90057563)
猪川 倫好 筑波大学, 生物科学系, 教授 (50015541)
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研究概要 |
1 種の同定・分類・生殖及び生活環の研究 プラシノ藻のテトラセルミス属テトラテーレ亜属の日本産種についてモノグラフ的研究がほぼ完成した. 2新種を含む6種について原稿を作成中である. 2 鞭毛装置構造の研究 マミエラ・メソスティグマ・モノマスティウス・ペディノモナス・プテロスペルマ等について鞭毛装置構造の詳細が判明したプラシノ藻類には完全な対称型構造はなく,僅かな非対称→極端な非対称への多数の移行型が存在する. 完全な対称型の狭義の緑藻類と完全な側方型の陸上植物系列の緑色植物の原型がプラシノ藻類に存在すると考えてよい. 3 細胞分裂機構 プラシノ藻のプテロスペルマの1種は従来生物界に知られない特異な核分裂を行うことが判明した. 核膜で包まれたままで染色体の分離, 分配が進むが, その際紡錘体は核外に存在する. プラシノ藻類にはこの他にも極めて特異的な核分裂を行うものが多くあり, 緑藻類(狭義)や陸上植物系列の群が一様的であるのと対照的である. この事実もプラシノ藻が上記2群の祖先型生物群であるとする意見を支持するものと解釈できる. 4 5S〓RNAの塩基配列の決定 プラシノ藻のマミエラで,葉緑体,ミトコンドリア及び細胞質より5S〓RNAの分離に成功し,それら三者を比較することでそれぞれの起源と年代測定に重要な知見を得ることができた. マミエラは緑色鞭毛藻類中比較的原始的と考えられている生物であり,成果の公表が各方面から注目されている. 5.光合成色素組成の研究 プラシノ藻類の多くの属種について主にカロティノイドの組成を調査した結果によると,多様なシフォナキサンチン誘導体と思われる色素が得られた. シフォナキサンチンは海産緑藻に知られる色素でありまた狭義の緑藻にも僅かながら知られている. これらの事実もプラシノ藻の緑色植物祖型説を支持する
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