研究概要 |
現代国語英語を音韻・統語・文体の観点から調査研究するのが本研究の課題であり、本年度は研究の対象となる資料の収集に重点を置いた。」国語英語の資料としては、1)演説、ラジオ・テレビなどの放送にみられるような多数の聴き手を対象とするもの、2)一対一、ないしはごく少数の聴き手を対象とする会話に二分され、さらにそれぞれ下位区分が可能である。本研究では1)2)の資料の収集にまず力を注ぎ、市販の映画・テープに加えて米英から直接送信される(含衛星放送)短波によるラジオ放送を十分に活用して、多くの分野の資料を集めることができた。 収集された資料の分析にあたっては、ロンドン大学のユニヴァーシティーコレッジに本拠を置く「現代英語調査」を参考にして、まず国語英語の特徴を音声的に記述することに着手した。ゆっくりと注意ぶかく発話された英語には認められない音の「変化」(alterations)が認められ、この点は日本での研究が遅れていることもあり、英語教育とも関連して有意義な成果が上げられつつある。 統語および文体の領域は次年度以降の課題ではあるが、すでに公にされているJ,Svartvik &R・Ouirk,A corpus of Englith Conversatin(1979)をモデルにして、統語論とくに'Well''actuolly''I mean'などつなぎの表現の調査に着手し、来年度以降の研究の基礎固めを行った。来年度は音声面に加えて統語、文体面の調査をさらに推進させる予定である。
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