研究概要 |
本年は当研究の最終年度にあたり、研究のまとめの段階に入って現代口語英語の用法調査の成果がえられたので以下にその概要を報告する。 1.現代口語英語の音声面については、とくに"Surreptitious conversation"のテープの活用により、口語英語の"camnected Speech"としての特徴を明らかになることができた。また、たとえば反復という言語特徴がどのように実現されているかについても、Bblitz(1988)、Brown(1977)はどの所説を検討してその独自性を明らかにすることができた。なお、音声面では会話、ニュース放送、演説等のスタイルの相違との関連性にも留意した。 2.現代口語英語の統語、文体面については、文語体との相違の検討に重点をおいて検討を行った。語学に関しては口語英語では本学語の比率がきわめて高く、主として単音節で具体的な語が使用される傾向にあることが指摘され、これは口語英語の著しい文体特徴をなすといってよい。統語面では文よりも節(clause)を分析の単位と考えて、収集したテープとJ,Svartvih & R,Qnirk、A Cavpus of Eiglish Conversation(1980)および、D.Cnystae&D.Davy,Advanced Canversation al Engresh(1975)の記述を対比させて、検討を行い、とくに論評節(Comment clause)の重要性および表現上の"approxmafion"といった現象を具体的に検証し分類記述を試みた。文体面では、節と節との連絡の仕方に着目して複雑さの度合の測定を試みたが、一般に口語英語の結束性は文語英語に比較して単純であり、いわゆる"elegant variation"が欠徐している事実が明らにされている。 従来、英文法の記述は文語を資料としたものが圧倒的に多数を占めているが、本研究ではこれまで光の当てられる機会の少なかった口語英語の特徴を明らかにした事に、意義が認められるであろう。
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