研究課題/領域番号 |
61450091
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
市川 健夫 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60014825)
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研究分担者 |
白坂 蕃 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40014790)
小泉 武栄 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30114812)
山下 脩二 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80064731)
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キーワード | 青潮 / 対馬海流 / リマン海流 / トド / 海女 / イカ漁 / 牧畑 |
研究概要 |
本年度は北海道の利尻・礼文・焼尻・奥尻などの島々、男鹿半島および飛島を調査した。その結果、以下のようなことが明かとなった。 リマン海流(Liman ロシア語で江湾の意)は間宮海峡を南下し、沿海州から朝鮮半島南端に達している。冬になると、リマン海流は勢力を増し、佐渡沖20〜30マイルを流れる。この海流にのってオホーツク海からトドなどの海獣などが、粟島・佐渡から能登半島までやってくる。佐渡の北端には海〓島(トドじま)という島さえある。 隠岐では夏季には対馬海流にのって、南方系の魚が多く集まるが、冬には冷たい深層水の上昇とともに北方系の魚が主になる。日本海域はイカ漁の宝庫であるが、ダイオウイカがいないことが、捕鯨漁に影響していた。また、はたはたという深海魚をつかった馴れ寿司は、秋田県に限られている。太平洋沿岸では、馴れ寿司は関東以北ではあまりつくられない。しかし日本海沿岸では北海道まで馴れ寿しがある。これが北前船のもたらした食文化であるかどうかは定かではないが、今後の研究により明かにしたい。 素潜りによる漁業は、本来、熱帯もしくは亜熱帯の漁業であるが、われわれは、海女による漁業が北海道の渡島大島にも存在していることを確かめた。またこの研究をはじめてから3ヵ年にわたり、日本海沿岸の牧畑分布も調査してきたが、粟島の北方にある飛島には、牧畑は存在せず、牧畑の北限は粟島であることが判明した。
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