研究概要 |
高電圧・大電流インパルス測定精度の向上を目的として, 測定誤差補正とデジタル計測器の動的特性の評価を中心として研究を進めた. 1.高精度基準インパルス電圧発生器によりデジタル計測器の動的特性を実験的に測定するとともに, コンピュータによるシュミレーションを行ない両結果がほぼ一致することを示した. 標準インパルス電圧(波頭長1.2μs 波尾長50μS)を測定するには, 8ビット サンプリングレート40/μs以上の高速デジタイザーが必要であることを示した. また, 測定結果をコンピュータで補正することにより, 大幅に前記のサンプリングレートを低くすることが可能であることを明らかとした. 2.数値ラプラス変換法を用いたインパルス測定系の測定誤差補正に関し, 測定系の応答波形 らなびに出力波形の読み取り誤差が, 補正に与える影響について計算を行ない, 両者の関係を明確とした. 3.インパルス電圧測定用抵抗分圧器の測定精度の向上対策として, 側路容量による方法を提案し, 約40%性能を向上しうることを示した. さらに側路容量と低圧部に誘導抵抗を用いることにより, 性能を約3倍向上しうることを明らかとした. この結果, 従来の抵抗分圧器に比べて, 測定誤差の大幅な減少を可能とした. 4.電解液抵抗分圧器の測定精度向上について検討を行い, その抵抗温度係数と補正法, 表皮効果, インパルス電圧測定時の温度上昇と対策などを明かとした. さらに電解液は誘電率が極めて大きい(約80)ので, これを利用した新形の電界抵抗容量分圧器を開発した.
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