研究概要 |
1.[Ru(bpy)_2(Hdpa)]^<2+>(Hapaジー2ーピリジアミン)の光学分割. SPーSephadexカラムクロマトグラフィーを用いた. 酒石酸ナトリウム塩化ナトリウムを溶離剤とし,溶離を3〜4サイクルくりかえすと殆ど完全に分割できる. これにより前年度より高い純度の光学異性体を得た. △体の方が先に溶出された. △E(△,355nm)=9.4なおジベンゾイル酒石酸ナトリウムを用いるとジアステレオマーが沈殿することを見出した. これによる分割法は現在検討中である. 2.[Ru(bpy)_2(dpk)]^<2+>(dpk:ジー2ピリジルケトン)の光学分割 前項とほぼ同一の方法で光学分割できた. この錯体も△体の方が先に溶出される. △E(△,387nm)=9.2 またジベンゾイル酒石酸ナトリウムを用いるジアステレオマー沈殿法も可能である. 3.[Ru(bpy)_2(dpm)]X_2(dpm:ジー2ーピリジルメタン,X:PFi,ClO_4)の合成. dpmをdpkの還元により合成した. これを用いて標記錯体を合成し, NMR,電子スペクトル等によって同定した. 4.[Ru(Hdpa)_3]^<2+>の光反応. 標記錯体の塩酸溶液を光照射すると, cisー[Ru^<III>Cl_2(Hdpa)_2]Cl・H_2Oを合成することができる(収率40%). この反応は暗反応では進行しない. 以上現在までに得られた結果を概括すると 1.6員キレート環を作る配位子,Hdpa,dpk,dpm(Lと線称)を持つbpyとの混合配位子錯体[Ru(bpy)_2L]^<2+>はすべて合成された. 2.[Ru(bpy)_2(Hdpa)_<3ーr>]^<2+>(n=0〜3)で表わされる一連の錯体および[Ru(bpy)_2(dpk)]^<2+>の光学分割はすべて可能となった. この際カラムクロマトグラフィー極めて有効である.
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