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1986 年度 実績報告書

色素置換ヘムタンパク質の機能制御に関する分子工学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61470079
研究機関京都大学

研究代表者

森島 績  京大, 工学部, 助教授 (50026093)

研究分担者 米澤 貞次郎  京都大学, 工学部, 教授 (20025787)
城 宜嗣  日本学術振興会, 特別研究員
キーワードヘムタンパク質 / 金属置換ヘム / ルテニウムヘム / モリブデンヘム / グリーンヘム蛋白 / 機能制御 / 分子工学
研究概要

天然に存在する色素タンパク質であるヘムタンパク質のヘム(鉄ポルフィリン錯体)を鉄以外の種々の遷移金属に置換した金属置換ヘムタンパク質を合成し、その物理化学的性質、機能等を詳細に検討した。先ず、ルテニウム(Ru)置換ミオグロビン、ヘモグロビン、ペルオキシダーゼは、それぞれRu(【II】)、Ru(【III】)ヘムで安定に再構成された。Ru(【II】)ペルオキシダーゼは一電子酸化によってRu(【II】)ポルフィクンπカチオンラジカルが安定に生成し、有機基質を酸化する能力をもつが、Ru(【II】)ミオグロビンはタンパク部位が酸化され分解することがわかった。このRu(【II】)ペルオキシダーゼのポルフィリンπカチオンラジカルは特徴的な常磁性NMRスペクトルを与え、この解析よりその特異な電子構造を解明し、天然のペルオキシダーゼの反応中間体の良いモデルとなり得ることがわかった。Ru(【II】)置換ヘモグロビンでは、Ru(【II】)が極めて安定に一酸化炭素を配位しているため、ヘモグロビン(【α_2】【β_2】)のサブユニットのうち、一方をRu(【II】)Co、他方をFe(【II】)に保ったハイブリッド型ヘモグロビンが安定に生成し、これを配位子が段階的に結合した中間体のモデルとしてその3次、4次構造の詳細な検討を行うことができた。その結果配位子が2つ結合してもヘモグロビンの4次構造は"T"型の高次構造を保ったままであることが判明した。さらにモリブデン(Mo(【IV】)、Mo(【V】))、タングステン(W(【IV】)、W(【V】)で置換したミオグロビン、ペルオキシダーゼの合成に成功し、ミオグロビンでは4価が、ペルオキシダーゼでは5価が安定であることがわかった。ヘムタンパクのヘムをクロリン環に置きかえたグリーンヘムタンパクの合成を行ないその物性、機能を調べた。グリーンヘムタンパクの配位子結合能の大きな低下は、グリーンヘムそのものの特性ではなく、タンパク部位、とくに遠位ヒスチジンの構造変化に起因していると結論づけることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 森島績: Biochemistry(UsA). 25. 3576-3584 (1986)

  • [文献書誌] 石森浩一郎: J.Biol Chem.

  • [文献書誌] 森島績: "高分解能NMR-基礎と新しい展開-(現代化学増刊,第7章タンパク質-金属酵素)" 東京化学同人, (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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