研究課題/領域番号 |
61480124
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
吉原 紘一朗 奈良県立医大, 医学部・生化学, 助教授 (70075042)
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研究分担者 |
神谷 知弥 奈良県立医大, 医学部・生化学, 教授 (50075040)
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キーワード | ポリADP-リボースポリメラーゼ / DNA-ポリメラーゼαプライマーゼ / プライマーゼ活性促進因子 / ポリADP-リボシル化 |
研究概要 |
1.プライマーゼ活性促進因子(PSF)の促進機構を更に検討し、この因子がプライマーの鎖長には全く影響を与えず、プライマー数を50〜100倍増加させる事を明らかにした。このプライマー合成の促進効果は基質であるrXTP濃度が0.1mM以下の時に著しく、2-4mMでは約3倍程度に減少する。この因子が極めて微量で作用する点を考慮すると、この因子は何らかの形でプライマーゼと作用し、この酵素の基質濃度要求性を低くする事によってプライマーの合成速度を調節していると推定される。 2.牛胸腺DNA polα-prtmaseは、ポリADP-リボシル化によりpolα活性と共にprimase活性も又著しい阻害を受ける。しかし上記のPSFF自身は、ADP-リボシル化反応系での阻害現象が見られなかった。DNA polα-primaseの細胞内に於けるADP-リボシル化を直接検討する為に以下の実験を行った。(1)L-1210細胞を0.25mMのMNNGで処理するとDNA polα活性は未処理の細胞を30%に減少する。この細胞のDNA poloα画分をprotern-(ADPR)n結合を切断するアルカリ処理(P^H 10.0、0℃ 5時間)を行い活性が回復するかどうかを調べた所、顕著な効果は見られなかった。(2)HL60を40μg/mlのMNNG処理しポリADP-リボシル化活性が約5倍に増加した時点で細胞をpermtableにして〔^<32>P〕NADと保温処理し、ADP-リボシル化した蛋白質を抽出した後、anti-polα-1gGを結合したproteinA-Sepharoseで沈降させその放射能を調べた所anti-polα-1gGによってspectficに結合した放射能は、合成された全ポリADP-リボースの0.01%以下であり、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によってDNA pol α分子に対する結合は明らかにする事が出来なかった。 3.現在ポリADP-リボース合成酵素活性が親株の36、19及び7%に減少した欠損株をHL60細胞株より分離し、DNA合成との関連を検討中である。
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