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1988 年度 実績報告書

モノクローナル抗体を用いる遺伝子異常の分子病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480138
研究機関神戸大学

研究代表者

杉山 武敏  神戸大学, 医学部, 教授 (20030851)

研究分担者 北沢 壮平  神戸大学, 医学部, 助手 (90186239)
高橋 玲  神戸大学, 医学部, 講師 (60144565)
前田 盛  神戸大学, 医学部, 助教授 (50030911)
キーワードモノクローナル抗体 / 癌遺伝子 / インスリン / アミロイド / 糖尿病 / 免疫組織化学
研究概要

我々は市販もしくは世界中で広く使用されているH-ras蛋白p21抗体が、癌細胞のみでなく、正常細胞にも陽性所見を示すことを指摘し、その原因を検討した。そして、胃、腎、肝、脳等の正常組織を用いたWestern-blot法でp21の存在を確認し、H-ras抗体が癌のみを特異的に染めるとの初期の発表は誤りで、正常組織での着染もp21を認識していることを明かにしたが、その後世界的にもこのことが確認された。しかし、癌では正常より強いras遺伝子の発現があり、そのためにより強い陽性所見を示すものと考えられている。それでは、どの程度の発現亢進があれば免疫組織染色で有意差が認められるかについて、膀胱・腎盂癌、白血病細胞を用いて検討した。Northernー及びDot-blot法でmRNAの発現を確認した後、パラフィン包埋標本を発色等条件を一定にして比較し、発現の亢進との相関を認めたが、3倍程度の発現亢進では染色の差は明かでなく、25倍の発現亢進で明瞭な差を認めた。従って抗体の希釈倍数を変えること等により強い発現亢進の見られる癌を選択的に染め分ける可能性が考えられる。一方、ヒト食道癌組織を免疫原として新しいモノクローナル抗体(Bー11)を作製した。Bー11抗体の認識する抗原は34kD蛋白で、扁平上皮と移行上皮のみに陽性所見を示し、腺上皮にも陰性でデスモゾームの一部を認識すると考えられた。膀胱癌47症例について免疫組織染色を行ない、高分化型、表層性、膨張性増殖を示す癌で高率に陽性であった、従来の抗デスモゾーム抗体は上皮性マーカーであり、これらとは異なるユニークな抗体が得られたと考えられている。この他、ヒト膀胱癌症例で、本来陰性の筈のhCGが陽性となる3症例を詳細に検討し、癌化に伴う異常分化である可能性を明かにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] J.Ishikawa;S.Maeda;T.Sugiyama;S.Kamidono: Anticancer Research. 8. 915-924 (1988)

  • [文献書誌] 荒樋栄宣: 神戸大学医学部紀要. 43. 15-25 (1988)

  • [文献書誌] J.Ishikawa;R.Nishimura;S.Maeda;G.Hamami;T.Sugiyama;S.Kamidono: Acta Pathol.Jpn.38. 113-120 (1988)

  • [文献書誌] S.Kitazawa;A.Takenaka;N.Abe;S.Maeda;M.Horio;T.Sugiyama: Histochemistry.

  • [文献書誌] S.Kitazawa;S.Maeda;T.Sugiyama: Leukemia Res.

  • [文献書誌] 武中篤,北沢壮平,前田盛,杉山武敏: 日本泌尿器科学会雑誌.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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