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1986 年度 実績報告書

純膵液分析による膵疾患診断法の開発とその臨床的意義にかんする研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480188
研究機関金沢大学

研究代表者

沢武 紀雄  金沢大, がん研究所, 教授 (90019969)

研究分担者 竹森 康弘  金沢大学, がん研究所付属病院, 助手 (80171677)
キーワード膵液 / 慢性膵炎 / 膵癌 / lactoferrin / CA19-9 / ST-439 / CA-125 / DU-PAN-2
研究概要

本年度では、各種膵疾患を中心として、内視鏡下径乳頭的に純膵液を採取し、重炭酸,amylase,総蛋白などの通常のパラメーターに加えて、我々の開発したRIA法によりlactoferrin(LF)を測定し、さらに最近開発された癌関連粘液糖鎖抗原であるCA19-9,DU-PAN-2,CA-50,ST-439,CA-125をも測定し、分析を加え、以下の成績を得た。1.口膵液中CA-125とDU-PAN-2値は各疾患群で明らかな差異はみられず、診断のパラメーターとはなりえないと思われる。2.膵液中CA19-9値は椁性膵炎(CP)群でも対照(C)群に比して著明な高値を示し、PC群とかなりオーバラップするものがみられた。C群を基準にすると、PC群100%,CP群62%が異常高値と判定された。血清CA19-9測定の有用性に比較すると、腫瘍マーカーとしてあえて膵液中のものと測定する利点はないかもしれないが、CPでもC群に比して、著明に高いので、膵障害を反映する指標として鋭敏なパラメーターになるように思われ、今後、免疫組織学的検討も加え、その意義を明らかにしていく予定である。3.膵液中ST-439値についてみると、C群で殆ど検出されないが、PC群では78%,CP群では15%に検出された。しかし、CP群ではいずれも低値で、カットオフ値を考慮すると、CPでは総て陰性で、PCでは60%が異常高値と判定された。膵液中ST-439の測定は、PCに特異性が高く、鑑別診断にも有用であると思われ、今後、免疫組織化学的検討も加え、その意義を解明したい。4.膵液中LF濃度はCPI群で46%,CP【II】群で20%に異常高値がみられた。一方、石灰化の有無で検討すると、石灰化群で91%,非石灰化群で37%が異常高値を示した。膵液中LF測定は当初期待していたような軽症のCP診断には有用性は乏しいと思われるが、症例を増やして、各種臨床病理的所見と対比し、その病態生理的および臨床的意義を解明していく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 竹森康弘: 胆と膵. 7. 63-68 (1986)

  • [文献書誌] 澤武紀雄: 消化器内科. 6. 659-669 (1986)

  • [文献書誌] 里村吉威: 医学のあゆみ. 137. 143-144 (1986)

  • [文献書誌] 澤武紀雄: 臨床科学. 22. 788-796 (1986)

  • [文献書誌] N.Sawabu: Int.J.cancer. 37. 693-696 (1986)

  • [文献書誌] N.Sawabu: Gastroenterol,Jap.21. 491-498 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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