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1986 年度 実績報告書

寄生蜂類カイロモンの化学生理学

研究課題

研究課題/領域番号 61560132
研究機関筑波大学

研究代表者

桑原 保正  筑大, 応用生物化学系, 助教授 (10026536)

キーワードカイロモン / 産卵行動解発物質 / 2-アシルシクロヘキサン-1.3-ジオン / マダラメイガ / ヒメバチ
研究概要

メイガ科マダラメイガ亜科の貯穀害虫4種、スジマダラメイガ、ノシメマダラメイガ、スジコナマダラメイガ及びチャマダラメイガを寄生とするヒメバチの1種Venturia canescensが寄生を認識し、産卵行動を解発するカイロモン物質として、スジコナマダラメイガの大顎腺から7種の2-acylcyclohexane-1,3-dioneが既に判っている。一方このカイロモンが糞中にも存在することを認め、飼料として用いたコメヌカ20kg、チャマダラメイガを除く3種の糞各40l、チャマダラメイガの糞8lから、カイロモン成分を生物試験でモニターしながら、常法により精製し単離した。4種の糞から得たカイロモンは直接導入法による質量分析およびガスクロ質量分析法で調べたところ、すべて2-acylcyclohexan-1,3-dioneの同属体混合物であり、新規化合物として2-palmitoyl、2-stearoyl、2-arachidoyl吸び非共役2-hexadecadienoyl側鎖の同属体を同定できた。また種それぞれには量的及び質的な相違が認められ、生物活性には差がないが化学的には種特異性があることが判明した。在来種のスジマダラメイガとノシメマダラメイガの組成は非常に類似点が多いが、スジマダラメイガは2-arachidoylcyclohexan-1,3-dioneの存在が特徴的であった。ヨーロッパに主として分布するスジコナマダラメイガには【C_(16)】不飽和側鎖化合物が多く、南方系のチャマダラメイガには【C_(18)】不飽和側鎖の同属体が主成分で特徴的であった。飼料のコメヌカ中には相当する分画に活性はなく、また機器分析でも同属体を認められず、天然物として特異な構造のこれら化合物は全て生合成されるものと判明した。
またこのヒメバチは寄生発生場所に誘引され、探索行動を示す。この誘引性のカイロモンは糞の水蒸気蒸留留出物中に認められた。生物試験法を種々検討した結果、EAG法で安定して検知できる事が判明したので、精製を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tadashi Nemoto;Masao Shibuya;Yasumasa Kuwahara;Takahisa Suzuki: Agricultural and Biological Chemistry.

  • [文献書誌] Tadashi Nemoto;Yasumasa Kuwahara;Takahisa Suzuki: Applied Entomology and Zoology.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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