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1986 年度 実績報告書

吸着選択性を利用する揮発成分の分離に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61560148
研究機関香川大学

研究代表者

杉沢 博  香川大, 農学部, 教授 (60005600)

キーワード吸着剤 / 活性炭とTenax-GC / 吸着選択性 / 植物精油成分の分画 / テルペン炭化水素と含酸素テルペン
研究概要

揮発性化合物はそれぞれ異なる化学特性をもち、その多様性のため単一の分離法での分離は困難である。分離法の差異によって分析結果も大きく変わる。分離過程での変化生成物、不純物の混人により、化合物の同定を困難にし、さらにフレーバー特性を変化させる。また、試料を少量しか用いられない場合例えば植物培養細胞、組識の一部、昆虫の分泌腺などの微量のサンプル中の揮発成分の分離はさらに困難である。これらの問題に対応した分離法を検討した。
1、吸着剤の選択的吸着特性の検討
活性炭およびTenax-GCは被吸着成分の分子の大きさ、官能基、分子の三次元的形状によって吸着能が異なるので、その選択性を検討した。その結果、活性炭は特異性を示さないが、Tenax-GCは選択性を示し、モノテルペン炭化水素化合物の保持能は弱く、含酸素テルペンおよびセスキテルペンをよく保持する。これらの選択性を精油の分画に利用できることを見いだした。
2、植物精油成分分析への応用
微量のサンプルの精油成分分画法を検討した。活性炭(20mg)とTenax-GC(20mg)の微細な吸着カラム(0.4×1.0cm)を直列連結したSerial-Trapping-Systemにより、微量の試料中の精油を炭化水素モノテルペン区分、含酸素テルペンおよびセスキテルペン区分に分画する方法を開発した。これにより柑橘果皮の精油成分分析を行った。この分離法と連続蒸留抽出法を併用して、スダチ(citrus sudachi)の果皮精油成分として71種、ネーブル(Citrussinensis)の果皮精油成分として68種の揮発性成分を同定した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 杉沢博,楊栄華,松尾敏正,田村啓敏: 日本農芸化学会誌.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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