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1988 年度 実績報告書

酪農有用微生物のコレステロール分解・吸着および生合成阻害活性成分

研究課題

研究課題/領域番号 61560325
研究機関名古屋大学

研究代表者

渡邊 乾二  名古屋大学, 農学部, 助教授 (70023447)

キーワード酸性多糖 / コレステロール / 酸化コレステロール
研究概要

微生物の産生する複合糖質の生理活性を、昭和63年度はコレステロールの吸着性および酸化コレステロールの包接性から検討した。昨年度においてアルコール醗酵乳飲料中のケフィール粒から分離したCandida Kefyr、およびストックカルチャー中から探索したCandida teruisは水不溶性のコレステロールを吸着して水可溶性とする複合多糖を産生すると見出した。この活性の主体は酸性多糖であったが、一部には糖タンパク質も関与すると判明した。両株共にその酸性多糖は100万程度の粒子であり、コレステロールを吸着して巨大な水溶性のミセルとなった。一方、糖タンパク質は4〜5万の粒子量のものであった。これらのいずれもウロン酸を含有する点において特徴的であった。これらの複合糖質の調整に際し、コレステロールを培養ロ液に添加して振とうして吸着させた後、pHを2から4に調整するとコレステロールを含んだまま特異的に吸着活性成分が沈殿するという現象を見出し、この方法を用いて比較的容易に大まかな活性成分の分画を行った。このものは培地の色も吸着していたので、ゲルロ過して脱色すると共にコレステロール吸着活性区分を分離した。コレステロール吸着性酸性多糖として、ガラクトースを主体にしたものとグルコースとガラクトース (2:1) から構成されたものとを得た。
一方、コレステロールは加熱などの処理に対して酸化されやすいこと、およびコレステロール含有加工食品には酸化コレステロールが生成されていることも見出した。これらの酸化コレステロールの大部分の化合物が、変異原性あるいは発癌性を呈すると証明した。上記のコレステロール吸着成分は、酸化コレステロールも包接してその活性を減弱化させることも明らかにした。以上のような吸着・包接化機構についても検討し、活性成分は部分的に疎水性領域のコアーを形成することが主たる要因であるとした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 渡邊乾二: J.Appl.Bacte.62. 151-155 (1987)

  • [文献書誌] 相原英孝: J.Food Sci.(1988)

  • [文献書誌] 渡邊乾二: 畜産の研究. 41. 703-708 (1987)

  • [文献書誌] 渡邊乾二: 畜産の研究. 41. 805-809 (1987)

  • [文献書誌] 渡邊乾二: 畜産の研究. 41. 923-926 (1987)

  • [文献書誌] 渡邊乾二: 畜産の研究. 41. 1123-1129 (1987)

  • [文献書誌] 佐藤泰: "卵の調理と健康の科学" 弘学出版, 1-200 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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