研究課題/領域番号 |
61570981
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
可児 徳子 朝日大, 歯学部, 助教授 (00076019)
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研究分担者 |
広瀬 晃子 朝日大学, 歯学部, 助手 (90173278)
飯野 新太郎 朝日大学, 歯学部, 講師 (10151242)
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キーワード | フッ化チタンアンモニウム / ラット齲蝕 / フッ化物歯面塗布 |
研究概要 |
本研究では、フツ化チタンアンモニウム溶液の齲蝕抑制効果の検索を目的として、動物実験を行い、APF溶液作用の場合と比較検討をおこなった。歯牙未萌出のSD系ラット(2週齢)60匹に齲蝕原因菌(st.Mutans-GS5)の接種をおこない、齲蝕誘発性飼料(日本クレア、Diet 2000-No.3)により飼育(自由摂取)した。 ラットは3群にわけ、第1群はフッ化チタンアンモニウム溶液(9000PPmF、PH3.4)作用群、第2群はAPF溶液(9000PPmF、PH3.4)作用群、第3群は対照群とし、フッ化物溶液塗布群では1週回エーテル麻酔下で薬液の塗布を行い、対照群は無処置のまま飼育した。なお、毎週定期的にラットの体重測定を行った。ラットは54、68、82および96日齢に各群5匹ずつ屠殺を行い、屠殺後上下顎臼歯をとりだし、実体顕微鏡およびアリストフォトによる齲蝕罹患状態の観察ならびにX線マイクロアナライザ分析を行った。 薬物塗布によるラットの体重の変動は認められなかった。 齲蝕発生の観察では、すべての観察時点において塗布群、対照群に差は認められず、齲蝕発生の抑制効果は明らかではなかった。しかし、齲蝕進行程度については、フッ化アンモニウム溶液塗布群では対照群に比較して、いずれの時点においても齲蝕罹患の程度は軽く、齲蝕進行に対する抑制効果のあることが認められた。APF塗布群との間に差は認められなかった。また、ラットの齲蝕は下顎に多くみられ、齲蝕進行抑制効果も下顎で大きいことが示された。EPMAによる分析結果では、フッ化チタンアンモニウム溶液群のラットエナメル質表層にフッ素とチタンが検出され、in vivoにおいてもチタンの取り込みが確認された。齲蝕発生抑制の検討については、上記の成績に基づいて実験期間を変更し、目下計画、実施中である。
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