研究概要 |
1. (E)-1-ベンジルー7-ホルミルワイをオスミウ酸素化した後, シユウ酸ジクロリドを用いる新しい反応によって環状炭酸ジエステルに導き, 接触還元によって題記超修飾塩基のモデル化合物を得た. 2. このモデル反応に従って題記塩基に対する標的化合物を合成するために必要な合成するために必要な合成中間体(S)-(E)-1-ベルジルー7-(3-カルボメトキシー3-カルボメイトキシアミノー2-ブテニル)ワイの合成法を改良した. すなわち, 1-ベンジルワイをNaHCO_3存在下I_2との反応によって容易かつ高収率で1-ベンジルー7-ヨードワイとし, ビニルグリシン語導体とのHeck反応によって目的を達した. この反応の操作は非常に簡単なので, ここに重要中間体の大量合成が可能になったものと思われた. しかしながら, 一方の原料である光学的に純粋なビニルグリシンは文献によれば大量に得ることが容易な筈であったが, 現実にはラセミ化を伴い, 収率もよくなかったので, 現在独自の方法による≦-ビニルグリシンの合成法を検討中である. 3. この合成中間体をオスミウム酸酸化したところ, ジアステレオマーの混合物としてジオール体を得た. これらはシリカゲルカラムによって分離することができ, X線結晶解析によって主成績体の絶対配置を(S,S,S)と決定した. 酸化文応の性質上他方は(R,R,S)一体である. これらを上述のモデル文応にならって選択的に脱オキシ化することによって, 題記超修飾塩基に対する標的化合物7-(3-カルボメトキシー3-カルボメトキシアミノー2-ヒドロキシブチル)ワイの(B,S)-及び(S,S)-体を合成することに成功した. 4. ここに得た標的化合物の化学的性質の検討及び題記塩基の生体資料からの単離は現在続行中である.
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