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1986 年度 実績報告書

I型糖尿病患者における膵島細胞抗体および膵島細胞抗体産生リンパ球に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61571127
研究機関(財)冲中記念成人病研究所

研究代表者

小林 哲郎  冲中成人病研, その他, 研究員 (30113442)

キーワード【I】型糖尿病 / 膵島細胞抗体 / ICA / HLA
研究概要

本年度の研究においては、膵島細胞質抗体(ICA)と膵B細胞機能の検討において成果が得られた。(対象および方法)対象は、ICA陽性の32例のインスリン非依存状態の糖尿病患者(NIDD)および年齢、性、体重、治療法をマッチさせた64例のICA陰性を示すNIDDである。方法としては経時的に、100g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行ない、この際のC-ペプチド(CPR)反応を測定した。遺伝因子の影響をみる目的でHLAのタイピングを対象者に行なった。(成績)32例のICA陽性のNIDD中10例が観察開始後平均15ケ月後にICAが陰性化した。これらの例においては、OGTTの際のCPR反応の有意な改善がみとめられた。一方残りのICA陽性の22例のNIDDでは、ICAが持続陽性を示した。これらの例においては、CPR反応が前値と比較して有意に低下した。うち10例が発症後平均38ケ月でCPR反応がOGTTに無反応となり、インスリン依存状態にまで進行したと考えられた。ICA陰性例では観察期間中ICAは持続陰性を示し、CPR反応も不変であった。ICAが陰性化した10例のNIDDにおけるHLA-Bw54および-DR4の出現頻度は正常対照者との間に差をみとめなかった。ICAが持続陽性を示した22例のNIDDにおけるHLA-Bw54および-DR4の出現頻度は正常者に比べ有意に高値を示した。ICA陰性のNIDDは正常者とのあいだにHLAの頻度に差をみとめなかった。(結論)ICAが持続陽性を示す際には膵B細胞機能の低下がみられ、ICAが陰性化した際にはこの改善がみられたことから、ICAとI型糖尿病の進行とは関連があることが明らかとなった。HLAと密接に関係した遺伝因子もI型糖尿病の進行に不可欠なものであることが示された。
なお本研究の成果は1986年アメリカ糖尿病学会総会において発表され、Diabetesに掲載(April,1987,in press)される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tetsuro Kobayashi: Diabetes.

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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